右余極説
右翼ではなく余り極端でもなく説明したい(笑)
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大切な「価値」について考えよう
今日も世の中の流れ(マスコミ報道や人気ブログの主流)からちょっとずれた話題にしたいと思います。

そういう話題が大事ではないと言いたいのではなく、しかしああいうものばかり追いかけていると表面的な騒ぎに終始して、結局は何か大事なものを見落としてしまう、右派にすれば、結局残るのは、左翼憎し、中国憎し、韓国憎し・・・みたいな、それだけの感情のような気がします。

私はそういうものを否定する気もありませんが、もうちょっと大事なことは何なのか、本質的なことは何か、そういうことを考えたいと思います。

と前置きが長くなりましたが、大事な事と言えば、やっぱり「価値観」だと思います。保守にしても何を保守するのかと言えば、究極的には価値観とかかわってきます。

それと関係ある話なのですが、ちょっと前に「正論大賞」というのが発表されました。これは毎年産経新聞がグループの基本理念である「自由と民主主義のために闘う正論路線」を発展させた個人に贈られる年間賞のことだそうです。

歴代受賞者には私から見て結構???な人、たとえば森本敏とか岡崎久彦、田久保忠衛、 屋山太郎、中西輝政あたりが受賞していて、いわゆる親米保守というか対米従属派が中心で、まあこれこそ産経新聞だなあという顔ぶれで、ろくな賞じゃないという印象でしたが、今年は何とこの系列とは一線を画す人が受賞しました。

佐伯啓思氏です。こちら

まあ、正論大賞は過去に西部邁氏も受賞していますが、しかし西部氏が受賞したのは1992年ですから、日米を取り巻く環境が現在とは随分違っていたはずで、おそらく今ほど対米従属路線を批判していなかっただろうと思います。

佐伯氏は西部氏ほど反米というイメージを抱かれていなかったのかもしれませんんが、興味深いのは佐伯氏が最近注目しているのが「価値の崩壊」ということだそうです。

「自分の一貫したテーマは、現代社会における規律と価値観の崩壊。日本が見苦しく、醜くなっているという感じが非常に強い」(第23回正論大賞贈呈式より)

その流れで佐伯氏は戦後日本の自由や民主主義というものにかなり批判的です。そのような論調の佐伯氏が、「自由と民主主義のために闘う正論路線」を発展させた人」として受賞したのですから、これは興味深いことです。

産経新聞も、親米保守の連中の言っている矛盾に薄々気づいている人間も出てきて、何らかの予防線を張りだしたのかもしれません。

おそらくアメリカの政権が民主党に変われば親米保守の路線が破綻するのは目に見えているからではないでしょうか。

また親米保守の論客は、外向的にアメリカ追従なだけでなく、価値観でもアメリカ追従、何でもかんでもアメリカの真似をするのが良いのだという傾向が強い人ばかりです。

そこでこの「価値」ということですが、では、佐伯氏はどう考えているのか。

現代が諸価値の崩壊を起こしているということを指摘していますが、ではどういう価値が大事だと思っているのでしょうか。

これは実は難しい問題です。単純にこれこれが素晴らしいとは言いにくいものがあります。

でも、過去に当ブログで取り上げた文章で、佐伯氏が価値というものをどう考えているかがわかる引用がありましたので、それを再度転載いたします。

以前のエントリー、「「保守」を勘違いしていないか?」より

「諸君」2006年12月号 特集 ちょっと気になる安倍首相の丸ぁるい背中
『「保守」を勘違いしていないか』

欧州や日本のように固有の歴史と伝統を持つ社会に、米国流の「保守」はなじまない。

佐伯啓思、関岡英之、西尾幹二の対談より

『アメリカとは共有できない「価値観」がある』

佐伯:

(イラク戦争に関して)あのとき、たとえば岡崎久彦さんのような論者は、「同盟関係でもっとも重要なのは利害関係ではなく、価値観の共有だ。日米は価値観を共有しているから、アメリカを支持する」という趣旨の発言をしていましたね。しかし、自由や民主主義とは、あくまでも先進国がある程度満たすべき“共通の制度や枠組み”ではあっても、“共有すべき価値観”ではありません。

価値観とは、その国の国民が何を信じ、何を大事にするか。三島由紀夫的にいうのならば、生命を賭けても守るべきもの、それが価値なのです。それはそれぞれの国の歴史のなかからしか生まれてこないものです。


同盟関係だから共有できる、というものではない。たとえばアメリカにはアメリカで、自由や民主主義といった制度に還元できない「アメリカ」という崇高なる価値観があって、彼らはそれを信じている。自由と民主主義といっても、されにそれを普遍化し、世界化する使命を持つという価値観なのです。それは我々は共有できません。

一方、日本にも日本固有の価値観がある。ただ、敗戦とそれに続く米国の占領。アメリカ型憲法の押しつけによって、そうした日本の歴史的遺産、精神的伝統は表舞台から徹底的に排除されてきました。神道、仏教、武士道、といったものに蓋をして、表向きは米国と同じ、歴史を欠いた「近代的な自由主義国家」として、作り変えられてしまったのです。

日本の「保守」を考える上で難しいのは、こうした伝統的な価値観を保守し改憲を唱えるべき立場の人々が、米国との「価値観の共有」を口にしがちだというジレンマ、二重構造が今日まで続いている点です。

(太字、改行など日村改変)

ようするに親米保守というのは日本には日本の価値観があるということがわからない、わかりたくない人なのでしょう。

そういう人たちというのは、国益を短期的な国の利益としてしか捉えられません。

たとえば北朝鮮の拉致問題をアメリカに頼るためにイラク戦争その他に協力するということをやっているうちに、自国民は自国の力で守る・取り戻すというあたりまえの行動ができない国になり、最終的には属国になるほかなく、長期的に見れば国家は衰退します。

また、短期的に中国を追い込むために価値観外交などと言って「自由と民主主義という価値観を共有する国」という言い方をしますが、いつのまにか、アメリカと同じ価値観にひきずられて、これまた属国化して長期的な国家の存続をあやうくさせます。

おそらくアメリカ大統領選挙で民主党が勝てば、日本の対米追従路線は破綻をきたし、親米保守の言辞はボロが出ることでしょう。できればそれを防ぐのが対米追従路線を批判してきたごく少数の保守の役割だったのですが、しかし日本人というのは破滅しなければ気づかないところがあるのか、もうそういう現実に賭けるしかないと思います。

ただ、下手をすると反米左翼が盛り返すだけという危険性もあるので、楽観はできません。

反米左翼の朝日新聞的な言論が主流にならないためにも、対米追従に批判的な保守陣営、長期的に日本の自主防衛・独立路線を目ざすまっとうは保守は力を結集しておくべきです。

今回の佐伯氏の受賞は、産経新聞の中にも若干そういう方面にシフトしたほうが良いのではないかという嗅覚を持った人がでてきたのだということならば、多少は希望も持てるかもしれません。

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コメント
この記事へのコメント
天地人
天皇家の方々には、やはり京都に居を構えて貰い、フランス式の軍服を着たり肉食やダイヤモンド好き等の人間味のあるお話しより、森羅万象の神を祀る天、宇宙の生理の仏を敬う地、人という儒教を愛した人、これらの三位一体となった江戸文化の頃の御皇室に戻っていただきたいです。
雪月花 | URL | 2008/02/26 (火) 13:00:45 [編集]
この日村さんの記事をきっかけに、日々ずっとおもっていたことを具体的にかきました。
すこし内容がとびますが

価値観・ほこり
http://handhi12.hp.infoseek.co.jp/maekaraomoukatikanhokori.htm

産経正論大賞の件、おなじことを感じていました
「価値の崩壊」は、うれえますがながい目でみるとそんなに心配していません。
二千年以上にわたる精神文明が、黒船以降のわずか百数十年で瓦解するはずがないと信じます。
希望的かもしれませんが
ハンディ12 | URL | 2008/02/26 (火) 22:28:20 [編集]
>雪月花さん
ちょっと私の書いた内容とのかかわりがよくわかりません。すみませんが。

>ハンディ12さん
なるほど、誇りこそ価値ですよね。そしてその誇りの根拠は何かと言うと日本の場合はやっぱり歴史から来るもの、歴史をきちんと引き受けていること、だろうと思います。

私のブログみたいにだらだら長々書くよりも、ハンディ12さんのように、まるで詩のような書き方をするのはとても新鮮で素敵ですね。
管理人 | URL | 2008/02/27 (水) 09:11:53 [編集]
西郷隆盛が、幕府側に立って最後まで闘った庄内藩士達に話した気持ちが「南州遺訓」の中に書かれています。現代の日本は、ラストサムライ西郷隆盛が心配した通りの世の中になりつつあります。
雪月花 | URL | 2008/02/28 (木) 08:13:58 [編集]
>雪月花さん
そういうことでしたか。どうもありがとうございます。
管理人 | URL | 2008/02/28 (木) 09:51:09 [編集]
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