右余極説
右翼ではなく余り極端でもなく説明したい(笑)
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専門主義の弊害
さて、旧ブログのみで再開と思ったものの、ちょっと面倒なことがあって、こちらでも再開することにした。しかし、かなりひさびさで、どうも何を書いて良いやら、さっぱり筆が進まない。とりあえず、最近読んだ本について書くことあたりからスタートしようかと思う。

それから、以前の「ですます調」ではなく、独り言ふうの文章に変えることにもした。

さてさて、書くネタがわからないので、読んだ本について、脇道にそれてちょっと思ったことを書いてみることにしようかと思う。何を思ったかと言うと、タイトルの通り「専門主義の弊害」もしくは、専門主義ばかり栄えている現状への憂慮と言ったところか。
さて、最近こんな本を読んだ。

環境問題はなぜウソがまかり通るのか2 (Yosensha Paperbacks (029)) 環境問題はなぜウソがまかり通るのか2 (Yosensha Paperbacks (029))
武田邦彦 (2007/09/12)
洋泉社

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以前にこの本を読んでなかなか面白かったのだが、その続編である。

環境問題はなぜウソがまかり通るのか (Yosensha Paperbacks (024)) 環境問題はなぜウソがまかり通るのか (Yosensha Paperbacks (024))
武田 邦彦 (2007/02)
洋泉社

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私はどうしても多くの人が言っているのとは違う意見のほうに共感しがちということが多いが、まあこの本の内容に全部賛成とか言うつもりはないが、なかなか良い問題提起になっているとは思う。

こういう意見について議論もされていない「環境対策」についてはもうちょっと考えなければならないとも思う。

環境保護運動というのは、かなり感情的なものが多い。「もったいない」と思うのは道徳かもしれないが、その行為が全体として節約につながるという事実に裏打ちされたものでなければ、感情論の一つにすぎない。

目先のもったいなさからリサイクルしようとして、社会全体でみると実は余計にエネルギーを使って無駄に資源を浪費することになっている、というのはよくある事のようだ。

で、この著者は、どうしてそんな事になってしまうのかと言うと、「環境問題に関するちゃんとした学問や専門家がいないから」、だとしている。

それはその通りかもしれないが、もっと言えば、私はむしろ逆で、今の世の中、「専門家しかいない」ことが原因だと思う。

つまり、今の学問というのは対象を細かく分離していって、その一つ一つバラバラにされたものを1個ずつ理解して、最終的にそれを合計すれば全体がわかるだろうという発想にもとづいている。これは(要素)還元主義と言われている。

しかし、人間を理解するのに1つの臓器、1個の細胞、1個のタンパク質、1個のDNAとどんどん細かく分けていって、じゃあそれらが全部理解できれば人間が理解できるかと言うと、そんなことはまるでない。

これは人間の理解についてのたとえだが、他にも、社会全体を理解するのにも同じことをしている。経済活動という1側面のみを切り取った経済学という学問があり、経済学者というのは人間を経済的に合理的かどうかという視点でしか見ようとしない。

このように社会科学系の、いわゆる文系の学問も同じようにごく一部のみを切り取って、それを寄せ集めて全体を理解しようとしている。というか、経済学者など、経済学で世の中のすべてが理解できるくらいの勢いでものごとを見ている。

リサイクルも同じであって、分離工学とか材料工学などの細かい専門家がいくらいたところで、むしろリサイクル全体については全然わからないだろう。

リサイクルとは社会全体の中での物の流れを複合的・総合的に捉えなければわからないので、狭い専門しか知らない人間には、全体としてリサイクルがどうなっているかはわからないものだろう。

流通とか行政とか人間心理とか経済とか国際情勢まで幅広く知っておかないと、リサイクルがどうなっているかなどわからないはずだ。

専門的な知識すらない人間は「もったいない」という目先の感情だけでリサイクル・リサイクルと叫んでいる。

その感情にもとづいた多数意見におそれをなしてか、専門家は自分の狭い専門分野の学問から、そうした多数者の感情にフィットするような専門意見を拾い集めることによって、自分もその仲間に入ろうとする。

部分としては正しくても、全体を把握すると間違っている、そういう社会的な現象を理解するのは、「専門家」には不可能なことだ。

専門家のように深く細かい部分に入ってゆく人間も必要だが、それらから得られた断片的な知見を、複合的に解釈する「総合家」みたいなものが必要だろうと思う。

今、社会がおかしくなっているのは、専門家しかいなくて、物事を総合的に捉えて解釈する人間が知識人と言われる階層の中にまったくいなくなってしまったことによるのだと思う。

だから、無知な人は感情に支配され、多少知識のある人も狭い領域しかしらなから感情的な意見にただ迎合しているだけで、間違った意見が暴走しやすいのではないかと思う。
コメント
この記事へのコメント
安心しました
おかえりなさい。
三輪さんはますます元気だし、山崎先生も最近の政界ネタは妙に張り切っていらっしゃいます。
真名さんはまだまだ先になりそうな予感はありますが、
とにかくマッコイさんの復帰は無条件で喜んでおります。
はまちゃん | URL | 2007/11/19 (月) 11:15:10 [編集]
お帰りなさい
日村様というか、マッコイ博士がやっぱりピッタリですよ。
例の件はサッパリ忘れて下さいな。

ところで、この武田先生なんですが、ある若手の研究会で一度、講演していただいたことがあります。まだ、名古屋大学にいらした頃です。
そりゃもう、面白かったですよ。この環境ネタも飛び出て、ほとんど研究会関連のネタなんかすっ飛ばして話されました。

少し前の”たかじん”で、TV的には政府の御用経済学者に見事にやられてしまった感のある武田先生ですが、何でもCO2に結び付けたがる環境ゴロが多いのも事実ですから、こうした提言をされることは必要なことと思います。

総合家ですか、英語的にはスペシャリストならぬジェネラリストになるんですかね。職業的には官庁の専門行政職みたいなものかなぁ。でも、行政に関わると、多分に政治的思惑に左右される度合が強くなるので、その方面から公平性、中立性を崩されないような人が必要になりますね。

長々とすいませんでした。
これからも期待しております。

kousotsudr | URL | 2007/11/19 (月) 15:28:19 [編集]
再開、おめでとうございます
はじめまして。書き込むのは、今回が初めてですが、復活される以前から、読んでいました。再開を喜んでいます。

>環境保護運動というのは、かなり感情的なものが多い。

その主張には、賛同できます。また、環境問題は、木を見て、森を見ず的なことが少なくないです。これは、環境問題だけに限りませんが。

はてなは、やめたほうがいいです。サヨクは少なくないですし、昔の左翼のインテリっぽいのも少なくないです。はてブも馬鹿らしいです。以前、はてなでブログを書いていましたが、それが嫌でやめました。今は他のところで書いています。
風来坊 | URL | 2007/11/19 (月) 23:31:02 [編集]
つつが無く、開門された由、祝着至極に存じ奉り候。
Dr.の卓見を拝聴できる楽しみがまた増えました。

専門主義の弊害については西部氏や佐伯氏がその著書でかねてより危惧されていたのですが、加速度的に増殖し、日村様ご指摘の通り、政治においても特定分野(経済のみ)に軸を置きすぎていると思われます。

この「一億総小商人化」の黒幕は、ズバリ「経済財政諮問会議」(のメンバー)と愚考しておりますが如何なものでしょう。
今や、「政府の政策決定は経済財政諮問会議の承認を経ないと何もできない」
と大田弘子経済財政担当大臣が明言する異常事態に異議すら唱えられない不気味さ。

この肥大化した「単なる首相の私的諮問機関」の利権拡大に違和感すら覚えない、覚えさせない偏向報道。

兎にも角にも勝手に書かれてしまったこの中長期の三文シナリオですが、
さて、どう折り合いを付けて暮らしていきましょうか。
Ma.wakizasi | URL | 2007/11/20 (火) 01:15:31 [編集]
>はまちゃんさん
復帰のお祝い、ありがとうございます。ただ政界ネタや直接の政治経済の話題は、どこまで入り込めるか今のところあまり自信はありません。もうすこし、一般的な話と政治をからめて書いて行くスタンスでやってみようかと思っています。今後ともよろしくお願い致します。


> kousotsudr さん
以前からお世話になっております。例の件は、実はあやしいと思っていたのはずいぶん前からで、こちらに移転した頃から、ちょっとどうなのか思っていたところがありました。なので、なおさら勇気も自信も持てなかった自分がなさけないのです。やはりショックで、一定の休養期間は必要でした。でも心機一転、ボチボチですが、続けて行きたいと思います。

休んでいたのは、ちょうど安倍内閣の頃まるごとという感じになりました。

武田先生の話ありがとうございます。総合家というのは、英語ではおっしゃる通り、ジェネラリストでしょうね。本当は政治家に一番必要な能力だと思うのですが、今の政治家は目先の利益・利害の調整ばかりしているところが残念ですし、そうでないものは理想主義のカイカクを暴走させている(理屈を暴走させているという点ではまるでマルクス主義者のようです)という感じですから・・・。

ともかく、今後ともよろしくお願い致します。


>風来坊さん

以前から読んでくださっていたとは、どうもありがとうございます、せっかく読んでくださっていたのに長いことほったらかしで失礼しました。

おっしゃる通り、はてなは陰湿なサヨクもいて、初期にひどい目にあったこともありますし、理解不可能な相手と議論するのは時間の無駄ですから、もうちょっと議論可能な人々を対象にしてみたいと思います。今後ともよろしくお願い致します。


>Ma.wakizasiさん

ご指摘の通り、今や日本人のほとんどが、ある意味経済の専門家になってしまっているような側面があります。何事も経済効率という言葉で説明したがります。商売人国家になってしまいましたね。

おっしゃる通り、経済財政諮問会議、あれを何とかしないといけませんし、最近の財界人はどうしようもありません。

昔は立派な人が多かったですよね。松下幸之助や本田総一郎あたりと、キャノンの御手洗やトヨタの奥田などを比較してみれば、後者の矮小さ・下劣さが際だっているというものです。

昔は財界人もある程度立派な人もいましたが、今やその質の劣化がひどいものになっているのだろうと思います。

今度ともよろしくお願い致します。
日村春介またはDr.マッコイ | URL | 2007/11/20 (火) 09:12:51 [編集]
復活なさっていたとは・・・
  本当に嬉しいです。

  事後報告ですが、新しくなったブログにこちらのリンクを入れさせていただきました。よろしければ、相互リンクお願いいたします。
ろろ | URL | 2007/11/21 (水) 01:19:03 [編集]
ろろさん

ブログをされていたんですね。リンクありがとうございます。これから時々寄らせていただきます。よろしくお願い致します。
日村・マッコイ・管理人 | URL | 2007/11/26 (月) 08:32:59 [編集]
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