右余極説
右翼ではなく余り極端でもなく説明したい(笑)
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デフレで都合の良い人たち
昨晩たまたま書店で時間をつぶしていると、面白い本を目にしました。

庶民は知らないデフレの真実 角川SSC新書 (SSC新書)庶民は知らないデフレの真実 角川SSC新書 (SSC新書)
(2012/03/10)
森永 卓郎

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この森永卓郎と言う人、私の印象は、テレビでふざけたことばかり言っている人と言うイメージでした。

そして何より、外交や安全保障では完全な左翼と言うか、極端な考え方で、国防や軍事力そのものを否定したり、憲法9条を信仰しているような人です。

経済に関しても、小泉・竹中の構造改革路線や新自由主義的な政策を批判しており、いわゆる社民的な経済政策を支持している人と言う感じでしょうか。

トータルで見れば、保守ではなく左翼のストライクゾーンに入るようなタイプですが、興味深い点もあります。

まず、経団連の主張している移民受け入れには反対していること。麻生政権の財政出動を評価していたこと。TPPや消費税増税に反対していることでしょうか。

そして何より上で紹介した本ではっきりわかることですが、彼は日本の現在の問題が「デフレ」であるとはっきり気づいている点で、「経済問題に限っては」ですが、まともな分析能力を持っているように思われます。

まあ、もともと社民的な考え方の人なので、偶然に気づいただけかもしれません。

現状の、つまりデフレ下では政府の役割が大きく重要になるため、経済政策は自由主義よりは社会主義的なものが正しいわけですから。

そして、この本の切り口が実に面白いと言うか、そこがこの人の趣味なのでしょうが、「デフレは金持ちに都合の良い格差拡大のためのチャンスである」と言う切り口で書かれています。

デフレの問題を格差と言う点でクローズアップしているのが面白いところです。

庶民は読んではいけない、金持ちのための本と言うスタンスで、デフレがいかに金持ち(森永氏自身を含む)に都合の良い状況であるかがえんえんと書かれていると言うわけです。

もちろん、森永氏はあえて皮肉でそういう書き方をしているのですが、これがなかなか面白いのです。

ちなみに、森永氏はタレント活動その他で、現在は3億円もの資産があるそうです。もっとうまくやれば10億くらいにはなっていただろうとも書いていますが、すごいもんですね。

そして、デフレと言うのは、お金の形で資産を持っている人間に有利なわけで、当然、お金を持っていない若者には不利なのです。

なのに、民主党の岡田は、「デフレはものが安いからお金のない若者にはチャンス」などと滅茶苦茶なことを言う。

この人は、たぶんデフレで美味しい思いをしようと言うより、ただのバカなのかもしれませんが、デフレでトクをする富裕層とつながりの深い人たちは、ほとんど意図的にデフレを長引かせているかのようにこの本では書かれています。

まあそれは陰謀論の一種のようにも思えますが、実際にはそうとしか思えないくらい滅茶苦茶な政策をやっています。

森永氏は基本的にはリフレ派に近い主張をしており、日銀が金をすってばらまけば良いと言っています。

wikipediaからの引用です。

(森永は)日銀の量的金融緩和政策と政府による減税および社会投資の前倒しによる景気回復を主張している。また、不況下の歳出削減や特殊法人改革には「どんな理由でも景気に悪影響しか与えない」と様々な改革を批判している。

森喜朗政権の頃から、日銀および財務省の政策を一貫して批判。週刊誌のインタビューで「私を日銀総裁か財務大臣にしてくれたら、半年で景気回復させます。もし出来なかったら死刑になってもいい」と豪語し、周囲の人を心配させた。

金融政策についての森永の主張は日銀が国債を大量購入することで市場にベースマネーを大量供給することである。深刻な不況時、デフレ経済脱却のためには有効で他の経済学者も支持できるオーソドックスな打開策といえるが、森永は100兆円単位の購入を主張しており規模が異なる。過激な主張であるがアメリカの中央銀行であるFRB議長のベン・バーナンキも森永と似た主張をしており、日銀の金融政策についても森永と同様の批判をしている。


死刑になっても良いくらいの自信と覚悟があるようで、そこは立派と思います。ただ、100兆円と言う金額を決めてしまっている点や(実際にいくらやるべきかは、やってみないとわからないはず)、あと、緩和して増えたお金ができれば、金融経済の方面にばかりに流れないように、政府の財政出動と言う形にして、実体経済が回復して労働分配率や労働賃金が上がるような政策をしてほしいとは思います。

と言う感じで、デフレの問題点についてよくわかっていると言うことと、その対策もまあまあまともなほうであること、現在の民主党の政策の間違いについてちゃんとわかっている点で、彼はある程度評価しても良いかなと思います。

ただし、問題点もあり、要するに彼は小沢一郎を過剰に評価しすぎている点です。

はじめは麻生政権の政策を評価していたのに、途中から急に政権批判・倒閣運動までしはじめたのも、小沢びいきが行き過ぎてと言うこともあるようです。

野田・前原グループを民主党内のネオコン、略してミネコちゃんと読んで賞賛し(実際には非難)、小沢グループを社民的な集団として批判(実際には擁護)しています。

野田・前原グループを新自由主義者として批判するのは良いと思いますが、小沢一派に期待が強すぎるのはどうかと思いました。私なら自民党の西田昌司に期待しますので。

ですから、小沢びいきすぎる点や、外交や安全保障についてあまりにも基地外レベルの主張をしているため、彼の言うことをすべて信じるわけには行きませんが、経済の現状分析についてはかなり参考になる部分もあるなと思いました。

庶民は知らないデフレの真実 角川SSC新書 (SSC新書)庶民は知らないデフレの真実 角川SSC新書 (SSC新書)
(2012/03/10)
森永 卓郎

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ざっと立ち読みしただけで、全部読んだわけではありませんので、もしかしたら変なことも書いてあるのかもしれませんが、薄くて字が少ないのですぐに読み終われる本だと思います。

デフレで誰がトクをしているか(金持ちその他)、またショックドクトリンについても書かれています。

三橋氏の本などを日頃から読んでいる人たちには買う必要までは無いかもしれませんが、たまには違う毛色の人が書いた本を読むのも面白いものです。

書店に30分くらいいる時間があったら、立ち読みでもされてみてはどうでしょうか。

で、デフレについて何もわかっていない人にはすすめても良いかもしれません。

そして、この本を入り口にしてデフレの問題点に気づいたら、次には中野剛志氏のこの本をすすめると良いでしょう。

レジーム・チェンジ―恐慌を突破する逆転の発想 (NHK出版新書 373)レジーム・チェンジ―恐慌を突破する逆転の発想 (NHK出版新書 373)
(2012/03/08)
中野 剛志

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この本は読み応えもありますし、インフレが前提になっている思考パターンから覚醒させてくれるものと思います。

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コメント
この記事へのコメント
管理人さんが考えているデフレの本質ってなんでしょうか。
ケインズはデフレを財政出動でどうにかかなるとは書いていますが、当時のイギリスがどうしてデフレに陥ったのかもきちんと書き残している。
これをみたとき、今のデフレの本質は当時のイギリスと同じであり、自分が考えていたデフレの本質はすでにケインズが気づいていて、結局、見ているものは同じなんだと認識したものです。
管理人さんが見るデフレの本質は、多くの学者、特にケインズ、そして私と同じなのかに興味があります。
是非とも教えてほしい。

自由 | URL | 2012/04/06 (金) 10:34:23 [編集]
根は良い人と思います
森永卓郎氏、外交安全保障を除き、私は支持しています。しかも、原発に関する考えも極めて全うです(http://www.magazine9.jp/morinaga/110928/)。引用先を読んでいただければお分かりと思いますが、本当の意味で弱者というものを理解したうえで考えています。

また、彼はフィギュアなどを収集する趣味もお持ちで、そのための専用の部屋も用意して飾っているとか。このような方はたいてい豆で真面目です。

そして、特に安全保障に関しては、はっきり言ってお花畑と言われる部類ですが、以上に挙げた事柄を踏まえると、有事が起きるときには、結局弱者が犠牲になることが常であり、それが何人たりとも譲れないと思っているとしたら、理解できることです。一方、我々が軍事力を増強したいと思っているのは、あくまで抑止力を目的としているので、その辺の彼との食い違いをどう埋めていくのかが問題なのですが。

以上、私の拙い判断ですが、根は良い人と思います。
Sura | URL | 2012/04/07 (土) 01:34:41 [編集]
>自由さん

暇な時にでもかけたら書きましょうかね。しかし、ケインズの時代と今の時代と同じなんでしょうかね?本質的な部分に限っては、と言う意味かな。


>Sureさん

彼のスタンスは弱者救済と言うか貧困が嫌いなようですね。デフレ下では貧しい人がだんだん増えて行きますから、今は私らとたまたま考え方があっているだけなのかもしれませんが、こういう人はやっぱり人間的には良い人だと私も思います。

思想の違いはあっても、身近にいたら良い友人になれそうですね。逆に保守系の一部には、いくら考え方に共通する部分があっても、絶対に友達にはなれそうもない人がいるのも事実です(笑)。
管理人 | URL | 2012/04/07 (土) 08:58:44 [編集]
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