右余極説
右翼ではなく余り極端でもなく説明したい(笑)
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「わかりやすい」ものには「ウソ」が多い
安倍首相の政治が「わかりにくい」という批判が高まっています。そのことについて、ちょっと考えてみたいと思います。最初は多少まわりくどい話から入ります。

そんなに多くはないですが、私は自分の専門科目を学生に説明したりすることがあります。、その際には、なるべくわかりやすく説明しようと、まあ私なりにではありますが、努力はしているつもりです。

しかし、教える側の努力は当然としても、教えられる側の努力と、それから、最低限の資格みたいのは必要だろうと思います。

つまり、例えば大学生ならば大学受験をパスしてその科目についてもある程度の基礎を自分で身につけているという前提があって、はじめてこっちも説明ができるわけです。

たとえば大学で教えるべき内容を、小学生にわかりやすく説明しろと言われれば、「そんなの不可能に決まっている」と突っぱねることができます。

それでもわかりやすく説明してくれと言われれば、何かに喩えて大雑把に説明するしかなくなります。そうやれば、まあ何となくイメージは伝えられるかもしれませんが、でもそういうのは結局は不正確だしおかしい説明なのだと私は思います。

これ以上わかりやすくすれば、もう真実はほとんど含まれずに大部分がウソになるという限界ラインというのが必ず存在すると思います。だから、少々小難しいことに関して「誰にでもわかるような説明」というのはかならずウソ混じりになるのです。
「わかりやすく説明してくれ」などと簡単に言うまえに、まず自分でわかるための前提を満たす努力をしているのか!?と聞いてみたくなります。

なぜこんな事を書いているかと言うと、先日テレビを観ていると、街頭インタビューで「政治がわかりにくい、わかりやすく説明してくれ」とか「安倍総理の政治は小泉首相とちがってわかりにくい」など言うことを平然と答えているのを見かけたからです。

政治を国民にわかりやすい言葉で説明してくれとかいうわけですね。

政治家には説明する責任というのがあるということについては全く否定しなませんが、しかし「誰にでもわかるくらい」わかりやすく説明しなければならない義務まではない、というかそんなの不可能なはずで、また、ある程度有権者の側もわかるための努力をする義務がむしろあるんではないかと思います。

だいたい政治を何でもかんでもわかりやすく説明するなんて、不可能でしょう。簡単に説明できる案件もあるでしょうが、大部分は複合的で複雑に利害のからんだ政治というのはごちゃごちゃしてややこしいものです。

それを、わかりやすい言葉で説明とか、もっといえば簡単に説明とか手短に説明、さらに言えば「ワンフレーズ」で表そうすれば、それはかなり「わかりやすい」とは思いますが、しかしもうほとんどがデマに近い言葉にしかならないのではないかと私は思います。

政治に関する「あまりにもわかりやすい説明」というのはデマと言って差し支えないでしょう。それは小泉首相のワンフレーズや小泉劇場なんてものを見ていればすぐにわかるはずだと思います。あそこまでわかりやすいなんて、そもそもおかしい事なのです。

だいたい、自分でわかるための努力もせずに、相手に要求ばかりして、簡単な説明や、一見してわかりやすい説明になびいてウソに騙される見識の低い有権者というのが諸悪の根元なのではないかと思います。

そもそも私は、有権者というのは政策についてわからないならわからないでも、それでも良いと私は思います。

私だって郵政民営化の法案がおかしいとわかったのは選挙が終わってからです。というか、急に解散されて、あの短期間の選挙期間中に、各政党の出すマニフェストをきちんと理解して選択した有権者なんて、まあ日頃から政治ブログを見たり書いたりしているような特別政治に強の関心の強い人を除けば、そこまでやるのはあとは余程の暇人だけでしょう。

政治に参加する義務があると言っても、自分の生活で忙しい人間はマニフェストの善し悪しなんか判断している暇も能力も無いのが普通だと思います。それをマニフェストで選べと迫る政党のほうがどうかしているのではないかと。

投票の基準なんて他にもいくらでもあるのであって、国会議員なら国政を行うにふさわしい能力と人格を持っているかどうか、愛国心を持っているかどうかということを、日頃の言動から判断して投票するとか、いくらでも投票のしかたはあるでしょう。私はそうやって選んでいます。

あの選挙では政策(しかもたった一つ)の是非しか問われず、そうした各候補者一人一人の「議員としての能力と適性」が問われないまま選挙が行われたために、シカとかタイゾーとかゆかりタソとかマスゾエ元妻などなど、小泉チルドレンというジャンク議員が沸いて出たわけです。

そう考えると、むしろ政党の掲げるマニフェストなんかで選ぶほうがどうかしているんじゃないか、とすら思えます。

だいたい、政策を事前に「数値(目標)」と「(達成)期限」と「(実現)行程」を示して後からその達成度を採点するなんて、それが本当に可能と思っているならば、それこそ合理主義の権化みたいなものです。未来予測が不可能な以上は、そんなもの完全に実行するのは無理なんであって、ほどほどの目安くらいにしておくべきでしょう。

国会でごちゃごちゃと議論しながら、非合理的な矛盾を調整し平衡を取るのが政治なのであって、すべてを合理主義なんかではやっていけるはずがないのです。

もちろん、いついつまでにどこそこに道を作るとか、ガードレールを作りますよとか、そういう小さいレベル、地方自治体レベルとか、もっと細かい小さなレベルでのマニフェストは可能と思いますが、複雑怪奇な国政においては、大まかな方針を決めて国会で議論しながら結論を導き出すしか無いわけですし、日本は直接民主制ではなく議会制民主主義なのですから、時には議会の決定による選挙公約の反故というのもあって当然ということですから、マニフェスト偏重はおかしいのです。

話がずいぶんそれてしまいましたが、安倍首相のやっていることは、小泉首相に比べてかなり「わかりにくい」のは確かですが、わかりにくいから間違っていると考えるのもおかしいのです。

これは別に、安倍首相のやっていることが正しいと言っているわけではありません。安倍首相の場合はむしろ最低限の説明責任を果たしていない部分がある、というか果たせないのだろうと思います。

わかりにくいと言われている一番の件は復党問題でしょう。あれをわかりやすく説明すれば、小泉政治の否定になります。

安倍首相は、その取り巻きとか小泉首相や中川幹事長みたいな人たちよりはまだ物事の道理をわきまえているほうでしょうから、今や郵政民営化などよりももっと重要な問題がある、そのためには郵政民営化に反対した人でも有能な人には自民党に帰ってきて欲しいのだという側面もあるのではないでしょうか。

しかし、安倍首相がそれをわかりやすく説明をしてしまうと、郵政民営化のバカ騒ぎの内実がバレてしまい、つまり今まで郵政民営化の問題を天下の正義であるかのように言っていたのが、実はウソでしたというようなことを国民に説明しなければならなくなるのです。

今の自民党は完全に世論によって動かされることを良しとしています。国民の顔色をうかがい、世論の流れにうまく棹さすことで政権を運営しようとしています。そんな政権が、この国の将来にとって本当に大切な政策、やらなければならない政策を実現できるとは思えません。

残念ながら未だに世論とは輿論になりえておらず、あくまでも多数派の欲望やその場の気分、一時の流行にすぎないようなもの、もしくはマスコミによって誘導されて作り出されたものにすぎない側面が少なからずあります。

そういうものを支持基盤にしてしまえば、政権も、世論の流れに流されて、あっちへふらふらこっちへふらふらして当然です。

そうならないためには、小泉首相のような手法を取るしか残されていないのですが、安倍首相はそこまで変人ではありませんから、結局は何がやりたいのかよくわからなくなっているのだと思います。

残念ながら、安倍氏が首相になるのは、まだ早かったのではないか、経験不足ということもあるかもしれませんが、世論が少々ガタついても党内をビシッとまとめあげるだけの能力と支持基盤が無いのが残念です。

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コメント
この記事へのコメント
わかりやすい言葉と考えると、無防備都市宣言が思い浮かびますね。
聞こえのいい部分を強調されれば、内容が分からない、あるいは知ろうとしない人には、「あぁそれは良い事なのではないか?」とあっさり納得してしまうのでしょうね。

安部首相に関しては、のらりくらりといった感じがして、何か影が薄いような気がします。
| URL | 2006/12/13 (水) 11:46:29 [編集]
始めまして。
頷きながら読みました。

朝の通勤中にラジオで武田鉄也の、
 
『複雑なものを「わかりやすく」ということほど危険なものは無い。わかりやすくするために、教える側は、あれもこれもと省いてしまい、わかりやすく説明された方は、それで「わかったつもり」になって、それ以上深く考えなくなる。ゆえに興味を持たせることが大事になる』

といった趣旨の発言を思い出しました。凄く納得しながら聞いたものです。
自分がの興味が政治に向いたのも「え?何で?」と思ったから(最近のことですが…)。
「自分で知ろうとする」ことが大事なんだと思ってます。


貴彬 | URL | 2006/12/13 (水) 20:44:06 [編集]
安部総理に期待する
 小泉政権の郵政民営化は、アメリカの要求に従ったものという事実がはっきりしています。確かに小泉さんは昔から郵政民営化を訴えていましたが、その頃は特殊法人を潰す目的を持っていました。でも今回は違います。
 安部総理は、小泉さんに引き上げてもらった恩義があるからか、少し遠慮しているようです。自分も小泉政権の中枢にいた者としての責任もあるでしょう。小泉政策を引き継ぐとして党内でも信頼を得られたわけですから、いきなり全否定する訳にもいかないでしょうし、安部色を出すのはもっと先のことだと思います。信念の人ですから、必ず自主憲法制定までやってくれるものと期待しております。
いすけ屋 | URL | 2006/12/13 (水) 22:27:43 [編集]
脳味噌のない信念ほど
迷惑かつ危険極まりないものもない、というわけで…。

もちろん安倍のぼんぼんの事を言ってるんだけどさ。
ちょっとお邪魔しますよ | URL | 2006/12/14 (木) 12:49:09 [編集]
わかりやすく教えること
マッコイ先生のおっしゃるように、人にものをわかりやすく教えるということは難しいですね!
教えられる側も、それなりの努力が必要、とのこと、実感です。 「馬を水辺に連れて行くことは、た易い、しかし、馬に水を飲ませることはできない」 とかいう言葉を思いだしました。
政治においても、説明する側も、それなりの説明をすれば足り、わかってくれるレベルの国民にわかってもらえればよい、  とするしかないのかなぁーと、思いました。
Gくん | URL | 2006/12/15 (金) 00:38:19 [編集]
>直さん
どうせのらりくらいなら、村山談話や河野談話ものらりくらりとかわしてほしかったですよね。それにどうも決断力も説得力もいまのところ弱いと思います。頑張って欲しいですね。

>食彬さん
武田鉄也にしてはずいぶん良いことを言いますね(笑)。たしかに、分かった気になってしまうのは問題だと思います。小泉劇場のおかげで政治に関心を持てたなんて人が結構いましたが、そういう人にそもそもまともに小泉政治が判断できるとは思えませんからね。

>いすけ屋さん
小泉首相への恩義だけでもないと思いますが、まあそれもあるのは確かでしょうね。でも結局のところこのままでは安倍色を出す前に政権が潰れてしまうのではないかと思います。

>Gくんさん
本当はわかりやすく説明するのはマスコミの役割でもあると思うのですが、公正な報道をするマスコミがありませんからね。国民一人一人がマスコミに頼らず一から政治について理解しようとするなんてかなり難しいと思います。そう考えると、メディアというものがその責任を果たしていないのが諸悪の根元かと思います。
日村秋介 | URL | 2006/12/15 (金) 08:41:17 [編集]
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