右余極説
右翼ではなく余り極端でもなく説明したい(笑)
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復興増税!? 3次災害を防げ
今回の地震については、まずは復興の計画が第一、何をやるか早く決めて、次はその予算の見積もり、これらが先で、非常事態なのですから、財源は国債発行を早急にやるべきだし、そうするだろうと思っていました。

ところが、あいかわらず、細かい予算をあっちからこっちへと言う話ばかりで先にすすまないと思っていたら、今度は復興財源調達のための消費税増税と言う話も出てきているようです。

しかし、震災前から消費が低迷し、景気が悪い現状で消費税増税など愚の骨頂でしょう。それ以前に、消費税を増税しても税収が増えるとは限りません。

実は、私は以前には財政が心配なら無駄の削減のような効果の薄いことをやるより、消費税でも増税したほうが早いだろうと思っていました。

ところが、これが大きな間違いであることをその後に知りました。

不況の時に消費税を増税しても、かえって税収が減る可能性が高いのです。
まあ、みなさんはとうの昔からご存じだったかもしれませんが、私は最近知りました(恥)。

いや、何となくそうかなとは思っていたのですが、現状のデフレ不況の深刻さを軽く考えていたところがあったのかもしれません。

与謝野さんとか高齢の方々もたぶんデフレを軽く考えているのでしょう。年齢を考えると過去の経験からインフレのほうが恐ろしいと思っているのだと思います。デフレは悪くないと思っている可能性すらあるかもしれません。

そんな認識の人たちなら、現状においても増税と言う愚策を口にするのも不思議ではないでしょう。

しかし、少し考えればあたりまえなのですが、消費税と言うのは、経済活動のいろんな段階でいちいち課税されるものですし、消費も落ち込むでしょう。

景気に与える影響は大きいはずです。消費税以外の税収が落ち込むと言うのは十分にありえることです。

なので、余程経済が調子良いときにやらなければ逆効果と言う話です。

そう考えると、復興のための消費税増税など、無意味などころか有害、復興にかかる費用の調達と言う目的など果たせないどころか、景気のさらなる悪化によりかえって財政悪化を招き、借金を増やすだけの可能性が高いのです。


現実に、消費税増税を行った過去がありますので、その時にどうなったかを見てみましょう。

1997年(平成9年)に橋本龍太郎が消費税増税を行い、この時には消費税が3%から5%へと2%引き上げられました。

そして同時に社会保険料引き上げや所得税特別減税の廃止も行われて、合わせて「9兆円の負担増」と言う見積もりになっていたようです。

これは増税と緊縮財政による改革、平成9年の橋本行革と呼ぶことにしましょう。

税率や社会保障費を引き上げて政府の支出も減らした訳ですから、財政がかなり黒字になると思われますが、現実には逆でした。

この消費税増税の前後で税収などがどうなったか、財務省のページにある一般会計税収の推移のグラフを引用します。

一般会計税収の推移
110424zeisyuu.jpg
(クリックで拡大:一部改変。元データはこちら

これを見ると明らかなように、平成9年を境に税収は大きく落ち込んでおり、それ以降はずっとこの時の税収より少ないままになっています。

消費税を増税しても税収を増やすことはできませんでした。

そして何が起こったかと言うと、景気が悪化して自殺者が1.5倍に増加です。

確かに、消費税を増税すれば、消費税の税収そのものは増えるようですが、トータルの税収は減ることもあると言う良い見本だと思います。

以下のデータを見ると、結局は法人税や所得税の税収が減少して、トータルの税収はかえって減っています。

主要税目の税収(一般会計分)の推移
110421syuyouzeimoku-zeisyuu.jpg
(クリックで拡大。元データはこちら

その結果として、当然のことですが、この年を境にして歳出は増加し、公債の発行は増加しています。

一般会計税収、歳出総額及び公債発行額の推移
110421zeisyuu-kousaihakkougaku.jpg
(クリックで拡大。元データはこちら

消費税増税によって財政再建どころか、財政赤字が拡大しているのです。

この時の税収の落ち込みの原因と考えられるのは、消費税の増税と緊縮財政による急激な景気悪化、そのことによる経済成長率の低下です。

実質経済成長率の推移(実質GDPの前年比の変化)
110421jissitu-gdp.jpg
(クリックで拡大。元データはこちら

実際に、この翌年にはGDPは名目も実質もともに大きく落ち込んでいます。その結果として、経済成長率が急激に落ち込んだのがわかると思います。

そして、景気が悪化した結果、自殺者も1.5倍に増えています。警察庁発表自殺者数統計からグラフを引用して見てみましょう。

110421jisatusya.jpg
(クリックで拡大)

あきらかに平成9年の橋本行革の翌年から自殺者数が激増しています。

さらに、自殺者の内訳を見てみると、無職者が圧倒的に多くなっているのがわかります。

110421musyoku-jisatu.jpg
(クリックで拡大)

つまり、橋本行革の増税と緊縮財政の結果、景気の悪化により失業して自殺した人が増えたと言うことだと思われます。

さらに注目すべきなのは、少し話がそれますが、橋本行革以後はずっと無職者の自殺が多いままだと言うことです。

これは、その後の景気がずっと悪いまま、政策が失敗したままだと言うことです。

よく、デフレの原因は少子高齢化や人口減少のせいなどと決めつけられますが、この自殺者のデータを見るとむしろそれは逆なのではないかと思います。

政策の失敗を繰り返し、景気が悪いままなので、失業者が増えて自殺者が多い。その結果、人口も減るでしょう。

それと同じく、政策の失敗を繰り返し、景気が悪いままなので、結婚できない人が増えて子供も作れず、その結果、少子高齢化に拍車がかかっている。

デフレと少子高齢化については、原因と結果を取り違えている可能性が高いと思います。


最近の若者は草食系だからとか元気が無いとか言ってますが、俗っぽい解釈をすれば、所詮は金が無い職が無いから結果としてそうなってしまっただけなのではないでしょうか?


話をもどして、もう一つ見落としてはいけないのは、橋本行革をやる2年前(1995年・平成7年)には阪神・淡路大震災が起こっていると言うことです。

この時、復興に関連した財政支出の拡大によって景気が上向きになっていたことがわかります。

もうちょっとわかりやすい図を引用しておきます。

110421hanshin-gdp.jpg

この図は、下で引用する産経新聞の記事から拝借してきたものですが、兵庫県と日本全国での実質経済成長率のグラフです。地震があったのは95年の1月です。

これを見るとあきらかに、復興特需のようなもので、経済成長しているのがわかります。96年には波及効果で日本の経済成長率も上がっていました。

ところが、97年の橋本行革で一気に落ち込んだ訳です。

せっかく景気が回復しはじめて、これからと言うときに拙速に増税と緊縮財政をやってしまったために、景気が悪化してGDPが減少した、そのことによって結局は税収も悪化し、財政赤字がかえって増えてしまったと言うことです。

ですから、今やることは、この当時の反省をして、同じことを繰り返さないことです。

すみやかに財政出動を行い、とにかく復興のための事業をやる。

そうすれば、景気も回復して経済も成長しはじめる。

結局、税収を増やし、財政赤字を減らす唯一の方法は「景気回復」「経済成長」しか無いのではないかと思います。

そして、それは復興と両立可能だと言うことです。

金融政策だけでは限界がありますし、公共事業の支出などかなり削りすぎてきたのですから、そろそろその間違いを正して、あたりまえの事を粛々とやるべきではないかと思います。

そして、景気が回復して、デフレからも脱却して、失業率も改善して、労働賃金が上がってきたりなど明らかに十分に景気が良くなったら、その時には増税なり無駄の削減なりをやって財政赤字を減らせば良いと思います。

それ以前に、景気が回復して経済が順調になれば、GDPが増えれて国債の対GDP比も小さくなるので、相対的に見た国債額がへるのは単純な算数の話です。

また、景気が良くなれば、増税せずとも税収が増えて勝手に財政赤字の額そのものが減って行く可能性すらあるでしょう。

いずれにせよ、今は普通にやるべきこと(国債を発行して復興に関する公共事業)をただ粛々とやれば良いのです。奇策は不要です。

こんな時に、構造改革路線に見られる公務員削減のような「失業者を増やして労働賃金を下げる」政策や、TPP賛成理由に見られる農業経営の大規模化・効率化のような「供給過剰なのに供給力を上げる」政策をやるべきではありません。

危機に便乗しておかしな実験的政策をやるのは慎むべきでしょう。


産経新聞・日曜経済講座(2011年4月3日)非常事態に「増税」の愚


東日本大震災は1次的には自然災害で、2次的には無能なリーダーによる人的災害なのだが、第3次も起きかけている。政策災害である


と書いてあり、増税を批判していますが。まったくその通りだろうと思います。

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(参考)基本的に三橋貴明氏が言っていることなどを参考にさせていただきましたので、愛読者の方々にはわかりきった内容だったかもしれませんが、渡りなりにデータを引用しなおして、整理しておくのも目的でしたので、ご容赦願います。

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