右余極説
右翼ではなく余り極端でもなく説明したい(笑)
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勝間和代のお粗末なTPP推進論(1)
勝間和代がお粗末なTPP推進論を唱えていたので、取り上げてみたいと思います。

ちなみに、今日からは「ですます調」で書きます(笑)。

まず、TPPとは何か、ご存じの方も多いと思いますので、一言ですませばこんな感じでしょうか。

TPPとは多国間の自由貿易協定の一種で、環太平洋のいくつかの国々による、原則的に関税を撤廃するような、そして農産物や工業製品だけでなく、金融やサービスや人の移動なども含めた広範囲に渡る、かなり「過激な」自由貿易協定の一種です。

このTPPについては、菅直人首相が昨年の秋に突然ぶちあげて、「平成の開国」などと言うスローガンとともに、突如に参加を検討しはじめたもので、国内の大手マスコミやおおかたの知識人・文化人らはほぼ賛成一色と言って良い取り上げ方をしてきました。

あの有名な(笑)勝間和代氏も賛成のようですが、その賛成論があまりにずさんなので、取り上げてみたいと思います。

勝間和代のクロストーク~みんなの経済会議~

2条件クリアしTPP参加を
2011年2月16日

 関税を原則ゼロにする貿易自由化の枠組み「環太平洋パートナーシップ協定(TPP)」への日本の参加の是非をめぐる議論が盛り上がっています。今回は参加の是非に加え、参加する場合に必要な国内対策や、参加しない場合の影響などを考えます。

 私は原則としてTPP参加に賛成の立場です。理由は、日本と同様に輸出立国の韓国が米国や欧州連合(EU)と自由貿易協定(FTA)を結び、貿易自由化の流れが加速する中、日本が国内農業保護などを理由に自由化に消極的な姿勢を続けていると、日本経済のけん引役の輸出産業が競争上、不利になるからです。そうなれば、日本の製造業は収益確保のため、生産を海外に移転し、国内雇用の悪化につながる懸念があります。

 TPPをはじめとした貿易自由化の枠組みに参加しなくても、日本経済の持続的な成長が可能で、雇用も十分に確保できるなら、参加しない選択肢もあるかもしれません。しかし、そんな期待は現実的ではありません。米国やオーストラリアなど9カ国が進めているTPP交渉に日本が乗り遅れることは大きなリスクです。なぜならば、9カ国がルールを固めてしまい、日本が後から参加することになれば、不利な条件を強いられるからです。そうなるよりも、枠組み作りの段階から議論に参加し、有利なルールを探る方が戦略的ではないでしょうか。

(以下略)

明日にでも取り上げます。
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とりあえず半分だけですが、もう、この文章のほとんどが基本的な知識の不足や事実誤認に基づく間違った結論誘導などばかりで、びっくり仰天なのですが、基本的にマスコミでTPP推進論を言っているのがこのレベルの話ばかりなので、間違いの典型例として一番わかりやすいと思います。

順番に見て行きましょう。 以下、「この色の文章」は上記からの引用部分です。

日本と同様に輸出立国の韓国が米国や欧州連合(EU)と自由貿易協定(FTA)を結び

と言っています。しかし、韓国は確かにかなりの輸出立国ですが、日本かならずしもそうではありません。この基本認識から間違っています。日本は圧倒的に内需が多い国だという事実を忘れ、何となくトヨタとかパナソニックとかのイメージでものを語っているよくある間違いパターンです。

輸出額を対GDP比で比較したグラフをネットで検索してみたところ、以下のようなものが出てきました。
ttp://blogs.yahoo.co.jp/eisaku35/47855967.htmlより、一部改変。

110404bouekiizondo2.jpg
(クリックで拡大)

2005年とちょっと古いですが、このデータを見ればあきらかなように、韓国は輸出額が対GDP比で40%近い国ですが、日本は10数%程度で、ブラジルやアメリカに次いで低いのです。

だから、日本は貿易依存度が低いと言って良いでしょう。ただし、ヨーロッパの国々は、EUの枠内での輸出入が多い訳ですから、EUを1つの経済圏として見れば、実はEU参加の国々も実質的な輸出依存度は低いと言えるかもしれません。

と言うことは、少なくともG7のような先進国の国々で比較すると、日本の輸出依存度は普通か、やや高めと言う程度、高いか低いかは微妙なところでしょう。また、韓国や他の途上国に比べると、日本の輸出依存度はかなり低いのに違いありません。

そこで、グラフを引用させて頂いたところのブログ主の方は、「日本の輸出はまだまだ少ない、だからもっと増やさなければならない」と言っておられましたが、それは話が逆なのです。

基本的に「経済規模の大きな先進国は輸出への依存度が低いのがあたりまえ」と見るのが自然だと思います。

基本的に国内で経済がまわると言うのは、それだけ経済が自立している進んだ国、豊かな国だと言う証拠でしょう。

日本は輸出依存度が高いと言っている人は、「だから輸出産業を大事にせよ」と言います。ところが、日本はそれほど輸出に依存していません。だから輸出産業のことばかり考えるのは偏っています。

しかし、そうなると今度は画像引用先の方のように「ならば輸出をもっと拡大せよ」と言う人がでてくるのですが、それは話が違うのです。

他国との貿易は大事で必須なものですが、輸出を伸ばせば伸ばすほど素晴らしいことだと単純には言えないのは、少し考えればわかります。内需が大きいと言うのは、海外に依存するリスクが低いと言うことでもあります。貿易ばかりに依存すると国際情勢の変化の煽りを大きく受けてしまいます。

やはりここにも「国の自立」と言う価値観の欠如が見え隠れしています。

もちろん、完全に自国のみで経済をなりたたせるなど不可能なことですから、孤立しろと言っているのではありません。自立と孤立は違います。他国に過剰に従属や依存することはつつしめ、と言っているだけです。自国の経済を輸出ばかりに過度に依存しすぎれば、それはそれでリスクが高まると言いたいだけです。

いずれにせよ、日韓で比較した場合は、あきらかに韓国のほうが自国の経済を強く輸出に依存しています。そういう国と単純比較はよくありません。

その韓国も、TPPではなく二国間のFTAを中心に交渉をすすめてきている訳です。そのほうが賢いからでしょう。

TPP交渉に日本が乗り遅れることは大きなリスクです。なぜならば、9カ国がルールを固めてしまい、日本が後から参加することになれば、不利な条件を強いられるからです。そうなるよりも、枠組み作りの段階から議論に参加し、有利なルールを探る方が戦略的ではないでしょうか。

多国間の交渉では、多数派が有利になります。多数派を形成するためには、参加国の中で自国と利害が一致するような国々と組まねばなりません。

ところが、TPPの参加を検討している国々の中に、日本と利害が近そうな国は見あたりません。他のどの国も、日本に自国の安い農産品や安い労働力や安いサービスを輸出したい国々ばかりです。

今の日本の現状を見てなお、安い労働力となる移民に期待する大馬鹿者もいますが、ただでさえ労働賃金が安く、失業率も高いこの日本に移民を入れてどうするつもりなのか、キチガイ沙汰としか思えません。

話がそれましたが、TPP参加を検討している国々の顔ぶれを見れば、日本と利害が一致する国など無く、みんな日本に輸出したい国ばかりなのです。そこに入って、一体どうやって「日本に有利なルール」を作るつもりなのか、不思議でなりません。

早く交渉しようがしまいが、日本に有利なルールを作るなどそもそも不可能です。

無理なものは無理なので、アメリカなどが妙な期待感をふくらませる前の早い目に、はっきり参加しないと言うのがまともな戦略と言うものでしょう。

また、「韓国が米国や欧州連合(EU)と自由貿易協定(FTA)を結び、貿易自由化の流れが加速する中」などと言うなら、日本も韓国のように、通常のFTA交渉をマイペースでじっくりやれば良いだけでしょう。日本は韓国ほど輸出に依存していないのですから、何もこっちから焦る必要はありません。

国内農業保護などを理由に自由化に消極的な姿勢を続けていると、日本経済のけん引役の輸出産業が競争上、不利になるからです。そうなれば、日本の製造業は収益確保のため、生産を海外に移転し、国内雇用の悪化につながる懸念があります。

まず、日本が工業製品を輸出できる先の国と言うのは、そのGDPの規模を考えると、TPP参加予定国の中には、ほとんどアメリカくらいしかありません。

で、そのアメリカはすでに関税が低いので(自動車や家電製品などは2~5%程度)、この程度の額が撤廃されても、ドル安がちょっと進むだけでもう無意味になります。

その程度でも関税が無くなれば製造業には大きいと言われるかもしれません。

しかし、「日本経済のけん引役の輸出産業」などと書いていますが、そもそもこれは一体どのような産業を言っているのでしょうか?上にも書いた通り、日本経済は基本的に内需が大きいです。

確かに、輸出産業主導で経済が伸びた時期もあったでしょうが、多くの国民にはさっぱり実感のともなわないものでした。それは何故か。輸出産業が伸びても、国内経済はかならずしも潤わない、たとえば国内の労働賃金は上昇しないからです。

グローバル化した輸出企業は国内の労働者の賃金をなるべくカットして、他国の消費者や株主らの利益ために経営努力しがちにになります。

企業のグローバル化は必ずしも国民の利益にはならないのです。そんな産業に国内の雇用を期待したり、経済発展をゆだねることなどしてはいけません。


そもそも、多くの企業はとっくの昔に生産を海外に移転しています。これは為替変動のリスクや労働賃金その他の問題によるところが大きいわけですから、TPPに入ったからと言って止められるものでも無いでしょう。

また、輸出産業、とくにTPPで有利になると考えられている自動車や家電などの耐久消費財の輸出は一体どれくらい日本経済を牽引しているか・・・その額を調べてみると、なんとGDP比でたったの1%程度、農業とかわらない程度のものなのです。

そもそも日本で輸出が多いのは、家電や車のような耐久消費財ではなく、工業用の原料となる資材等なのです。家電や自動車など、たいしたこと無いのです。

このことから考えても、輸出産業と言うのは、その規模が過剰に見積もられ、国内経済への良い影響が過剰に期待されすぎていることがわかります。そんなものを少々延ばしたとて、国内の労働者をじゅうぶんに養うにはたかが知れています。TPPのデメリットのほうが大きいでしょう。

日本の内需はこれ以上は伸びないのだと言う決めつけをやめて、もっと内需の拡大につとめるのが基本中の基本だと思います。

TPP推進の人たちと言うのは、基本的には国内はもうダメと決めつけています。そういう基本認識が間違っているので、おそらく話がかみあわないのでしょう。

TPPをはじめとした貿易自由化の枠組みに参加しなくても、日本経済の持続的な成長が可能で、雇用も十分に確保できるなら、参加しない選択肢もあるかもしれません。しかし、そんな期待は現実的ではありません。

日本の需要が無いのは、少子高齢化のためとか、人口が減少しているからとか、原因と結果を取り違えたような議論をして妙に納得してみたり、社会が成熟したからなどと言うよう根拠の不確かなことを言ってみたり・・・

デフレだから個人は物を買わず企業も投資をせず誰も金を使おうとしない、それが堂々巡りしている状況で、そこに構造改革と言うデフレ促進政策を一生懸命やってしまった訳です。こういう政策の大失敗により、さらにデフレに拍車がかかり、その結果20年近くもデフレ不況が続けば、そりゃあ、人口も減るでしょうし、子供も減るでしょう。

まずは構造改革路線の間違いに気づいてそれを反省するのが第一です。構造改革により公共事業を削りすぎ、規制緩和のやりすぎで失業者が大量に増加してしまったことがデフレの一因です。

したがって、やるべきことはTPPではなく、必要な公共事業をばんばんやって、内需を拡大することです。こんなのすぐにできるでしょう。実は簡単なことですが、公共事業がダメと決めつけているからその発想が出てこない。

だから、TPP参加で輸出を増やすとか言う実現不可能な奇策にばかり頼ろうとするのだと思います。

話がそれてきましたが、今日は前半部分だけで一旦終わりにして、続きは明日と言うことにさせていただきます・・・

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なお、上記の私の記述は、中野剛志氏や三橋貴明氏のTPP反対論に多くを参考にさせていただきました。

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(2011/03/17)
中野 剛志

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コメント
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| | 2011/11/04 (金) 17:49:34 [編集]
あまり私のオリジナルな意見と言うほどではありませんので・・・

中野剛志の本や三橋貴明氏のブログとかにもっとわかりやすく書かれていると思いますので、私の文章などどうってこと無いものです。

が、いずれ暇になったら、もうちょっとブログ更新のペースは上げようとは思っています。いつになるかはわかりませんが・・・
管理人 | URL | 2011/11/05 (土) 09:55:38 [編集]
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