右余極説
右翼ではなく余り極端でもなく説明したい(笑)
人気ブログランキングへ にほんブログ村 政治ブログへ

コメント歓迎ですが「こちら」をお読み下さい。

1つになれない日本
テレビでは、企業のCMの自粛のため、いまだにAC(公共広告機構)のものが大量に放送されている。これはしょうがないと思うので、そのことに文句を言うのはどうかと思うが、しかし、さすがに同じCMばかり見させられるのはたまらない。

まあ、そのことはしょうがないとして、そのうちの1つのCMで「1つになろう、日本」などと言っているものがある。

確かに、今回のような非常事態では当たり前のことだと思う。1つになろうとするだろう。

しかし、基本的に日本人は、平時から空気を読んですぐに同調して多数派を形成し、多数派が支配して少数派を排除することで1つになろうとする悪い癖があるように思う。

多数派を形成する前の公の議論が少なすぎる。そして、仲間内で悪者を作り出して排除しようとする傾向が強いのではないだろうか?

そういうスタンスの政治が、最近のマスコミを利用した直接民主制的な政治手法に典型的にあらわれてきている。

だいたいこういう政治である。
まず、世間的な評判が何となく悪そうな人たちにとって厳しい政策をぶちあげる。

当然のことながら、そういう一部の人たちは反対する。しかし、彼らが反対すればするほど、多数派の支持が自分に集まると言うしくみである。

基本的にユダヤ人差別で人気を集めたヒトラーのやり方と相似形である。

私の記憶では、最初に悪者にされたのは、商店街の人たちだったように思う。もちろん、ユダヤ人ほどに差別された訳でもなく、官僚ほど叩かれた訳でもないが。

彼らはある目的のために叩かれた。大規模店舗出店のための規制緩和である。

ショッピングモールなどの出店規制を緩和するために、それに反対する地元商店街の人たちはこんな言われ方をした。

商店街は経営努力をせずに高い商品をうりつけているとか、効率の悪い経営方法だとか、ろくに経営努力をせずに規制に甘えているなどなど・・・マスコミを通じて「規制緩和原理主義者」たちから批判されていた。

そして、こうした言説は、物事を深く考えない一般大衆からもそれなりに支持されてきた。

その結果の規制緩和で大規模店舗が進出、もともと不況で勢いがなかった商店街はとどめをさされて潰れまくり、商店街はシャッター通りか風俗店ばかりになり失業者は増え地域経済は打撃を受けて治安も悪くなった、

消費者はたしかに良いサービスを手に入れることはできるようになった面はあったけども、結局のところ安く買ったツケをそんな形で払わされている。規制で守られていたのは商店街だけではなく、地域社会そのものであったことにようやく気づいた。でも遅かった。

さらに、構造改革・規制緩和の原理主義チャたちはこうも主張していた。

新規参入を促して競争させることにより、経営努力を怠って良いサービスを提供できていないダメな経営者には退場してもらう!など・・・

一体何様のつもりだろうか?

経営者はすべて一流でなければならないなど、無茶な話である。日本の企業は平均して頑張っているほうだろうと思うのだが、とにかく「ダメな経営者、ダメな企業を潰せ」などと大合唱していた。そうすれば生産性が上がって日本経済が良くなるとも言っていた。そのための規制緩和だ、競争だと。

しかし、彼らの言う通りにした結果、企業は倒産、失業者は増大し自殺者も増加、労働賃金も低下してデフレの深刻化に拍車をかけた

それ以外にもいろんな職種の人たちが悪者にされ叩かれ続けた。規制と関連する文脈で言えば官僚もそうだろう。

官が規制ばっかりしているから日本はダメなんだと。官僚は財界人や経済学者やマスコミ(民間?)の言うことに余計な口を出すなと言って、悪者扱いされれば反対できないから、規制緩和は官僚や古いタイプの自民党議員を叩き続けた結果でもあるだろう。

あとは、建設業界叩きだろう。土建屋を食わすため、官と癒着して、官も天下り先を確保するために無駄な公共事業がされているかのように(一部その通りではあったと思うが)、無駄な金がじゃぶじゃぶ流れて税金を食い物にしているように考えて、徹底的に公共事業は減らされて(たぶん半分ほどに減った)、その結果どうなったか。

おそらく必要な公共事業まで削られ、今回のような災害で多くの犠牲者を出した。さらに、土建業界から大量の失業者が出てデフレに拍車をかけただけである。産業構造を急激に転換などできるはずが無いのである。

そうやって、政官財の癒着のトライアングルを断てなどと正義に酔いしれて、日本経済を沈没させてきた訳である。

土建屋の仕事と言うのは、波及効果が大きい。マクロ経済学では乗数効果と言う言葉があるようだが、乗数効果が大きい。

そういうものを急激に大量に減らせば、日本経済が沈没するのが当然だろう。土建屋憎し・・・という「アンチの精神」で物事をすすべれば、行き過ぎる傾向が強いのだろうと思う。自分が正義と思ってしまえば、何事も暴走しがちになる。

政官財の癒着のトライアングルが一体国民にどの程度害悪を与えているか、具体的な数字で示すことは難しいのかもしれないが、やはりそういう話がまったく出てこなくて、マスコミ報道のイメージが先走りすぎた、そういうものの影響を受けやすい(マスコミに洗脳されやすい)人々のヒステリーによって潰されたと言う側面が大きいと思う。

政官財の連携は、行き過ぎれば癒着その他を産むのだろうが、トライアングルの密接な連携が日本経済を強靱なものにしてきたのも間違いない訳である。その構造そのものを潰せば日本経済も傾いて当然だろう。

考えてみると、こうやって悪者にされて叩きつぶされた現象にはすべて共通点がある。

規制緩和、生産性の向上、競争、淘汰

である。

一昨日にも書いた通り、私は、こういう新自由主義的な価値をちゃんと認めても良いと思っている。しかし、これはあくまで処方箋の1つにすぎない。認めるかどうか、採用するかどうかは、経済の状況次第なのである。

処方箋とは病状にあわせて正しく書かれなければならない。

競争による効率化と生産性の向上は万能薬ではないのである。

この20年の日本経済の最大の問題点は「デフレ」である。デフレの時に新自由主義の処方箋は最悪、デフレを悪化さ経済を悪くするだけ、改革による弊害のほうが大きくなるのである。

癒着憎し、非効率憎し、ダメな経営者憎し・・・こう考えるのは真面目な日本人らしくて一見すると立派であるが、デフレの時には彼らを潰しても経済が悪くなるだけ、デフレに拍車がかかるだけである。

そもそも、デフレだから投資も新規事業も進まない、それを規制のせいにしたり、経営者の経営努力が足りないせいにしたりすると言うのは、原因と結果を取り違えているという話である。

景気が悪くて客が来ない状況でできる経営努力など限られているだろう。

景気が悪くて客が減っているのにタクシーの第数期生を緩和してタクシーだらけにすればどうなるか!?

効率至上主義者は、競争によってサービスが向上しさえすれば客が増えると庵陰に考えていたのだろう。愚かである。

こうやって、アンチを作り出してそれを叩き潰すと言うことは、実にやりやすい政治手法となっている。

「改革」に反対する「抵抗勢力」を叩くことによって自分に人気と権力を集中させた「小泉スタイル」が地方政治でもどんどんと増えている。

議会を悪者にして、議会の定数削減や給与の減額など、あいかわらずデフレを悪化させるような政策ばかりやっている。

この20年のデフレによる経済沈没は、少子化や高齢やや社会の成熟などのせいではなく、間違った現状認識と日本人の歪んだ正義感がもたらした「政策の失敗」以外の何物でもない。

人気ブログランキングへ

にほんブログ村 政治ブログへ
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
copyright © 2005 右余極説 all rights reserved.
Powered by FC2ブログ. | Template by Gpapa.