右余極説
右翼ではなく余り極端でもなく説明したい(笑)
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脳科学って大丈夫?
たしか3月31日の晩だったと思うが、NHKで脳科学にもとづいた人の育て方というような内容の番組をやっていたが・・・

調べてみたら、仕事の流儀という番組であった。

内容は「プロに学べ・これが「育て」の極意だ」というもの。
まず、脳科学者として出てきた茂木健一郎氏、とても科学者らしからぬものの言い方であった。

あまりに断定しすぎである。どうも、プロジェクトXの後番組らしいが、あんな良い番組の後にこんな番組が・・・とは、あまりにも残念すぎる。

たしかに、最近の研究はすすんでいて、脳についてかなりのことがわかっているが、人間の脳は動物の脳と違うし、実験することができない。

バラバラにしたり、機能を破壊して実験するということを、動物を使ってはできるが、人間を使ってはできないのであるから、一番肝心な、人間と動物で違う部分については、あいかわらず未知のことが多いのである。

またさらに、人の育て方について、昔から言われているあたりまえのことに、後付で科学的な理屈をくっつけて、さも最新の脳科学の研究から導き出された方法であるかのように言って見せたりと、ひどい番組だった。

さらには、自分の説にたまたま都合の良い例だけを持ってきて、だからこの説は正しいのだという、およそ科学者が絶対にやってはいけない論法、マスコミが世論操作のときによくやる論法でものを言っていた。

たとえば、人を育てる時、勉強させるとき、それはやっぱり自主性に任せるというか、本人が自主的にやりはじめた時が一番学習するのに効果があがる時であるという話。

それは昔からその通りだし、常識的に考えてもあたりまえのことである。それを、さも、最新の脳科学の研究成果としてわかったかのように言っていた。

私だっていつも学生に言っている。学ぶほうに自主性というか「やる気」が無いと、いくらこっちが上手に説明しても無駄なのである。こっちが上手に説明できているかどうかは別にして(笑)。

だから、自主性が大事というのはその通りである。しかし、その先が危うい。

本人の自主性に任せなければならない、だから強制してはいけない、自由にやらせて見守るだけにしなければならないと言っていた。

そして、その証拠というか例として、ボリショイバレーで活躍している日本人の踊り手をとりあげ、彼の両親にインタビューしていたが、その両親は、ともかく息子がやりたいと思うことをとにかく自由にやらせて、ああしろ、こうしろとは決して言わずに、子供がやりたいと思うことをいつも応援してきた・・・なんて言っていた。

子供の自主性にまかせたから、自分の子供が成功した・・・とでも言いたげであった。

しかし、そうだろうか?

たしかに、この両親は子供の自主性にまかせ、背後から見守りバックアップするだけだった。

しかし、それは、その子供が興味を持ったのが、たとえばバイオリンとか水泳とかバレーとか、そういう健全なものばかりだったから、そうできただけの話だろう。


子供の自主性にまかせ、やりたいことをやらせると言っても、ではもし子供がろくでもないことにばかり夢中になったらどうするのか?

暴力や万引きや異性をたぶらかすことばかりに夢中になったらどうするのか?それでも暖かく見守ったか?

そういう時は環境を変えてやると言っていたが、健全なことに興味を持たず、ろくでもないことばかりに自主性を発揮してしまうということだって、多いと思う。

たまたま自主性にまかせたらうまく行った例を一つだけ持ってきて、だから子供の自主性にまかせればうまく行くんだ、みたいなことを言うのは、かなり乱暴すぎると思う。

およそ科学者がやってはいけない論法である。マスコミはよくやるし、その論法に簡単にひっかかる人があまりにも多すぎるということも問題だが。

やはり、背後には戦後ヒューマニズムの思想があるのではないかと思ったがどうだろうか。個性が大事、個性は人間の内側から出てくるという思想が・・・

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書店で見かけるうさんくさい本と言えば、私は真っ先に「自己啓発本」のたぐいを思い浮かべるが、これらの本も似たようなものに見えてしまうのは偏見だろうか・・・
コメント
この記事へのコメント
江戸時代の養育論を紐解くと
陽明学者・中江藤樹の寛永十八年(一六四一)作『翁問答』では、親が子供に当面の苦労をさせずに思いのままに育てることは「姑息の愛」であり、一時しのぎの愛情、親牛が仔牛を舐め育てる「舐犢の愛」に他ならないとしています。
これらは一見、慈愛のようでも子供を我儘に育て、才徳のない鳥獣のような人間にしてしまうため、結局は子供を憎んで悪に引きずり込むのと変わらない、ということだそうです。

また、小川保麿が天保十年(一八三九)に著した『養育往来』によれば、「鳥は飛ぶ事を教え、獣は走る事を教ゆ。鳩に三枝の礼有り、烏に反哺の孝有り。皆、伝え教え為るべし。人として人の道を教えざる者は、鳥獣程も子を思わざるか。」と述べられています。

ようするに、「子供の自主性にまかせ、やりたいことをやらせる」というのは、「子供が誤った方向に行かない限りは」という前提がある、ということですよね。誤った方向に行こうとしたら、親の(親がいなければ社会の)責任で強制してでも軌道修正しなければいけないはず。
日村さんが危惧されているように、ノー学者の某氏の論は前提が抜け落ちていて、「悪しき平等主義」を感じますね。

それに比べると「個性なんてものは肉体に宿ってる(各個人に最初から備わっている)もので、わざわざ尊重するようなモノじゃない」なんて、マトモな事を仰っていた養老先生は最近メディアでは見かけないですね。
マトモな事を言うと煙たがられるんですかね?
海驢 | URL | 2009/04/04 (土) 03:56:35 [編集]
では、私もこれからは肩の力を抜いてコメントを。
私、実はこの茂木氏にはちょっと思うところが前々からあったんです。まぁくわしく言うと完全に個人批判になりますので簡単に。

前にこの方がテレビに出てるのを何度か見る限り、なんというかおどおどと、核心からはちょっと距離を置いて、己の臆病のエクスキューズとして理論武装しているような印象を受けるんですよね。脳だなんだ言う前に培うべきは己の人柄でしょう、と言いたくなるぐらい。他人に物申す立場ならば、相手の心に手が届く距離にいてナンボだと、私なんかは思うんです。脳ってのは要は心でしょうに。だから茂木氏の物言いは全然心に響かないです。

すいません日村さんの主題と大きくズレましたかね(笑)?おまけに毒舌でした。大変失礼致しました。
ユーグン | URL | 2009/04/05 (日) 01:23:58 [編集]
>海驢さん

再開して、さっそく頂けました!って、何のことかと言いますと、以前にこのブログをやっていて思ったのですが。コメント欄のレベルの高さ!よいしょするわけではありませんが、ずいぶん勉強させていただきました。

まあ、今回の番組について言えば、あんまりひどいことをするようなら、「環境をかえてやる」くらいのことはして良いというような、さすがに完全自由放任とまでは言ってませんでしたので、そこは私の書き方が悪かったかもしれません。


>ユーグンさん
ユーグンさんと私は感じ方が似ているんでしょうかねー。実は私も、茂木氏については(今回はじめて話を聞いたのですが)、直感的に感じるものがありました。なので、本当はタイトルを「「茂木氏って大丈夫?」としたかったのですが、やはり個人批判になりますので(笑)。


今後また以前のように皆さんのコメントがいただけるような文章が書ける自信はありませんが、また一人でも多くのレベルの高いコメントをいただけるように頑張って行きたいと思います。
管理人 | URL | 2009/04/05 (日) 11:17:14 [編集]
恐縮至極です(笑)
返信いただきありがとうございます。
過分なお褒めの言葉まで戴きまして・・・

自分の見解に自信がないから、格調高い文章の威を借りているだけですので・・・まだまだ修練が足りないです。
もっと端的に、名文で精髄を語れるようになりたいものです。
海驢 | URL | 2009/04/10 (金) 10:58:12 [編集]
いえいえ、修行が足りないなんて、そんなことは無いでしょう。

また期待しておりますが、そもそも、そういうコメントいただけるようなことを私が書けるかどうか、自信がありませんが(笑)。
管理人 | URL | 2009/04/13 (月) 08:31:39 [編集]
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