右余極説
右翼ではなく余り極端でもなく説明したい(笑)
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報道の落とし穴
先日、新聞を見ていたら、「子どもに見せたくない番組ワースト」のアンケート結果というのが載っていた。ネットでもアンケート結果を報じた記事を見ることができる。

たとえば『親が見せたくない番組 5年連続「ロンドンハーツ」』など。

記事によれば、中2保護者へのアンケートで、子どもに見せたくない番組のワースト1は『ロンドンハーツ』、2位が『めちゃ2イケてるッ!』。小5保護者へのアンケートでは、ワースト1が『クレヨンしんちゃん』、2位が『ロンドンハーツ』ということだそうだ。
この記事を最初に見た時は、「へー、そうなのか、そういえば、毎年こんなのやっていたなあ、まあ実際にひどい番組だしなあ」と素朴に思って、それで終わりだったのだが、その後、たまたま「坂本衛のサイト」というところを見ると、この報道に関する数字のウソというかこれが歪曲報道の一種であることが指摘されているのを見て、目からうろこ!?そんな衝撃を受けた。

以下、手短にまとめると、こういうことである。

というのも、アンケート結果(平成19年度マスメディアに関するアンケート調査/子どもとメディアに関する意識調査 調査結果報告書)をちゃんと調べて見ると、実際のアンケートの内容とその回答は、以下の通りである。

「放送中の番組で、自分の子どもに見せたくない番組はあるか」という問いに、中学2生の保護者の71.2%、小学5年生の保護者の60.5%が、「ない」と答えた

見せたくない番組があると答えた保護者にのみ、さらに「番組名を二つまで挙げてもらった」ところ、上のような結果になったということなのだ。

つまり、アンケートをした中2と小5の保護者のうちの、それぞれ7割と6割以上の親が、「子どもに見せたくない番組は特にない」と思っているということになる。その最大多数意見を無視しているのだ。

ちなみに、小5保護者と中2保護者の調査結果を加えて「子どもに見せたくない番組」のトップになったのは『ロンドンハーツ』であった。それはその通り、5年連続ワースト1だそうな。

ところで、ではこの番組を見せたくない番組として挙げた親はどれくらいいたのかというと、アンケートをした保護者3477名のうち、わずか123名、3.5%の少数意見にすぎないのだ。
これはつまり、アンケートした保護者のうち、96.5%は「ロンドンハーツを見せたくないとは思っていない」ということになる。

にもかかわらず、見せたくない番組ワースト1が「ロンドンハーツ」という見出しがでかでかと出るのは、確かにウソではないが、ある種の歪曲報道、偏った報道と言われても仕方無いだろう。

私は別に、ロンドンハーツという番組を良いと言いたいわけではない。ロンドンハーツを俗悪番組としてやり玉に挙げるのも結構だが、それ以前に、大半の親が子供に見せたくないテレビ番組は特にないと思っている現状、子供がどういう番組を見ようが関心が無いような状態こそ、正確に指摘され報道されるべきじゃないのかと言いたい。

そういう意味においても、調査結果をもっと正確に報道すべきだったと思う。

しかし、アンケート調査を受けて、意見を求められて「わからない」「知らない」「意見は無い」と答える人が一番多くなるというのは、本来はそうめずらしいことではないだろう。

実際、世論調査も本当は、「政治の細かい政策のことはわからない」と答えるのが一番まともな人間のやることなのではないだろうか。もちろん政治ブログをやったり読んだりしているような「特殊」なタイプの人間は別だろうが、普通の社会人は日常の生活や仕事で忙しいのだから、政策について、マニフェストについてどう思うか聴かれたって、マスコミで報道されていることをそのまま受け売りするのが精一杯だろう。

そういうのは本当の自分の意見とは言い難いし、マニフェストを理解して判断しているとも言えないのではないか?そういうことに気づける謙虚な常識人は、世論調査の電話がかかってきても、「私には政策の詳しいことはわからないので何とも言えない」と答えるものではないか?

そうでなければ、あとは自分の利益が大きくなるような政策を期待するだけの話だろう。しかし、すべての人々の利益を平等に実現などできないのだから、政治を動かす原動力が「自分の利益のため」というのでは、そもそも無茶苦茶になるだろう。

世論調査への回答として自分の意見を言うなら、「○○の政策のほうが自分にとっては利益になるが、日本全体のことを考えると、××の政策のほうが良いだろう」くらいのことを言って欲しいものだ。

誰だって税金を払いたくないのだから、消費税の賛否を世論調査すれば、多くが反対と答えるだろう。そして、政策に影響力の強い財界人に大企業の増税の賛否を聞けば、これだって反対と答えるに決まっている。

そういう利害のかかわっている当事者の意見で政治を動かしてはダメなのだ。両方を総合的に見て判断しなければ、利害の調整としての政治は機能しない。世論も財界人の意見もどちらも参考程度にして、後は政治家が総合的に判断するしか無いだろう。本来ならば。

それが、世論に迎合ばかり、財界人の顔色うかがいばかりの政治家しかいない。そうしてしまったのはマスコミのせいもあるだろう。

それから、マニフェスト選挙みたいのをやれば、普通の人間が政策に精通しているはずがないので、結局はマスコミで優勢を占める論調が勝利するだけである。マスコミが第一権力になってしまう。

ちょっと話がそれたが、いずれにせよ、こういう報道の積み重ねで人々は騙されてゆくのだろうし、まだまだ私も騙されていることがたくさんあるかもしれない。

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コメント
この記事へのコメント
統計の詐術ですね。
ただ、この手の調査は逆に宣伝になるのでテレビ局側もむしろ調査されたがっているようです。いったいどこの誰が「他の人が子供に見せたがらない番組を知りたい」と言ったのでしょうか(もちろん誰もそんな調査結果など積極的に知りたいとはおもわない)。そう考えるとマスメディアの報道している内容がいかにくだらないかがわかるというものです。自分らの業界の事情で、本当は誰も知りたくない報道を電波で垂れ流しているのですから、異常と言うほかありません。
| URL | 2008/05/22 (木) 20:08:30 [編集]
耕さん、どうもこんにちは。

そうですねー、ある意味、宣伝にもなるでしょうね。マスコミがこういうことをすることによって、まあ自分たちの仕事を増やしているような側面もあるのかもしれませんね。くだらない必要もない内容の電波を垂れ流しているというご指摘、まったくその通りと思います。
管理人 | URL | 2008/05/23 (金) 17:07:09 [編集]
「民意」という名の独裁者

今の日本には金正日の様な個人独裁者は居ないが、自民党が、一時期野党に下ったとはいえ、長い間政権に就いていました。自民党というのは様々な思想や政策を持つ人々がおります。小泉純一郎的な新自由主義路線で親米派の人物から、古賀誠的な所得再分配論者で親中派の人物などを寄せ集めたパーティーですが、案外日本人の民意を蝟集したパーティーですね。しかも自由な政権交代があるにもかかわらず、常に第一党として政権に就いたのは、この国の多数派が支持してきた証といえますでしょうか。

勿論、一般人が政策や主張に関心が無く、ニュースもろくに見ないで新聞もざっと目を通すだけですし、最もテレビのニュースはコメンテーターが特定の思想を持っているのでその方向に偏向されがちです。

だが、この国の最高権力者は誰であろうと実は「民意」ではないかと思っております。世論調査なる怪しげなアンケートの正体です。「民意」=「俗情」と言えば分かり易いでしょう。
つまり、自民党でも民主党でも、果てまた社民党や共産党もそうかもしれませんが、政治家はこの「民意」に逆らえないようです。テレビに出てくる人の良さそうなオジサンオバサンは民意の代弁者で、改革がいいと言えば良くて、靖国参拝はいけませんと言えば良くて、政治家も含め全ての大衆をコントロールしている危険な存在です。
彼らには国家観も歴史観もありません。只々大衆の意見や欲望を拾い集め、国政に影響するように仕向けていると思います。それらに反するならば、直ちに抵抗勢力やら守旧派やら右翼やら呼ばれ、まるで国賊扱いされます。
福田首相はポピュラリズムに対応できず、歯切れの悪い状態ですし、安倍前首相は国家観を反映した政策を打ち立てましたが、大衆の意に反したようです。
しかし、小泉元首相はポピュラリズムを忠実に迎合し、構造改革を断行し、イラク侵略を支持しました。常に支持率は過半数を越え、まさに民意の権化となった人物でした。
その結果が今の日本の惨状ではないでしょうか、イラク侵略は泥沼化してイラクを反日化させて、中東の秩序は不安定になり、中韓に靖国参拝の説明も大戦争の総括も出来ず、北朝鮮は核武装して拉致問題を置き去りにしたまま、格差拡大と限界集落が増え始め、民意を結果が今日の状況となってしまったことを、大衆は気づいているでしょうか。
長々と書いてしまい申し訳ありません。鬱積した物がこみ上げてきたのかもしれませぬ。
渡世仁義の風来坊 | URL | 2008/05/24 (土) 09:47:13 [編集]
データの改竄って
素人が見破るのは至難の業ですよね。

或る浪人の手記さんのプログで
年間自殺者数のデータについて興味深い指摘を
読ませていただきました。

http://restororation.blog37.fc2.com/blog-entry-1226.html#comment

データ改竄(?)しなければ
3万人どころか
実際は何倍びも膨れ上がるとのこと。
ビリー・ザ・マッド | URL | 2008/05/29 (木) 22:16:47 [編集]
俗悪という意識
「ロンドンハーツ」という番組をそのプロデューサーは情熱をもって、いい番組を作ろうとして、真摯な姿勢で、こだわって作ってるらしい。
それでああいう番組になってるらしい。
驚愕すべきはここのところで、芸能人のパーソナリティに頼りきりな内容や芸能人の私生活の切り売りや芸能人の私生活上の騙し打ち撮影を、本当に「面白い番組」だと思って作ってる人がこの世の中に居て、視聴者の数字がある程度とれていて、そういう番組を作るノウハウを本に書いて出版している、というところだと個人的には思ってる。
「今のテレビや視聴者のレベルはこんなもの」、という諦念からではなく、安全な場所から売れない芸能人に危険な事をさせる指令を出す、みたいな番組を本当に「素晴らしく面白い番組」だと思って作ってるようなのだ。
「俗悪」っていうのは、倫理観や美意識などのメートル原器みたいなものが世間で共有されている時に初めて通用する言葉じゃないか。
何が「俗悪」か判らない人が作ったものに対して「俗悪」と言っても、単純な言葉としても通じないのではなかろうか。
ブルー | URL | 2015/03/18 (水) 22:24:03 [編集]
社会性
「ロンドンハーツ」みたいな、ああいう番組造りが、「出演オファーをタテにした雇用側の芸能人への強要」であり、「俗悪」という意味がそこにあるのが制作側にはどうも判ってない。
そのせいか彼らの狙う「笑いのツボ」が、そういう関係性を見せる事であったりもする。
「キャラクターとして使える。使えない。」という理屈でもって、選択肢をふさぐような強要を「業界の慣習」として当たり前のように振りかざす訳です。
制作者はどうも80年代の、笑芸人同士の「イジリあい」番組で育った世代らしく、「笑い」というものがそういうものであると思ってるフシがある。
しかし笑芸人同士の先輩後輩、という関係性と雇用被雇用という関係性では、同じ事をやっても事の次第が全く違うと思うんですよね。
それで、出演してる側も「本番中にいじられるのは有り難い」などと肯定しちゃったりするんですよ。
問題は「そうした姿や関係性を視聴者はどう見るか」であるんですが、彼らにはそうした自覚が全くないのですね。そうした事で目立って名前が売れる事とそれによる自身の生活の安定しか頭にない。
テレビの前でいちいち子供に「あれはギャランティを貰えるからなんだからな。仕事だからだ。お前は他人にああいう事をやっちゃイカンのだ。」と注釈してる視聴者が頭にない。
「人間は基本的に下世話で俗悪なものを好むのだ」みたいな逆説では到底肯定出来ない理由がそれです。「モノには限度がある」訳です。「子供に見せたくない。」という理由ですね。
ブルー | URL | 2015/03/19 (木) 06:36:12 [編集]
以前の「俗悪番組」のプロデューサーは自分の番組が世間から「俗悪」だと指弾される理由くらいは判っていました。
しかし視聴率の数字を取るのが仕事だから、みたいな諦観くらいは持ってました。
今のプロデューサー(実は出演者も)は違うんですよね。「俗悪」と言われる理由を理解できないし、しようとしない。
ああいうものを真面目に作って、それこそテロップの色から入り方までこだわって、ノウハウを積み上げてきた自負だけがあるんですね。
真面目なんです。だけど客観性のない真面目さなんですね。
そこが恐ろしいところで。
きっと行きつくところまでいかないと止まらないんでしょう。
「なぜ止められなかったのか。」と後で人は言うけれども、現在を見れば理由は一目瞭然です。
ブルー | URL | 2015/03/19 (木) 19:13:07 [編集]
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