右余極説
右翼ではなく余り極端でもなく説明したい(笑)
人気ブログランキングへ にほんブログ村 政治ブログへ

コメント歓迎ですが「こちら」をお読み下さい。

改革で医療も崩壊
医療の危機が叫ばれています。

新自由主義的な改革をやった国というのは、それが教育や医療にまで及んだ場合に、社会の荒廃をすすませてしまうようです。

国の財政をなんとかしようと思ってはじめた改革のはずが、医療制度を変えたためにむしろ医療費高騰につながるような可能性があったり、教育の失敗により、普通に仕事して金を稼ぐ能力を身につける最低の学力すら得られずに税金も払えないような人間を量産したりと、そうなってしまう可能性もあります。

国際競争力という名の下に、労働者の賃金を大幅に引き下げたり労働形態を派遣やアルバイトのようなもの中心にしたりということで、国内の消費が伸び悩んでモノが売れなくなってしまい、結局は企業にもそのツケがまわってきたりなど、悪く回り出すと最悪なことになるでしょう。

新車販売台数の伸び悩みの背景には、もちろん複合的な要因もあるでしょうが、そもそも車を買えない人間が増えている、ローンすら組めない人間が増えているということなのではないでしょうか?

こんなことをしていては、結局は納税額など増えないことでしょう。そうなれば、財政だって改善されないはずです。何かがおかしい。そんな気がします。

とりあえず、タイトルにある通り、医療の問題だけに話をしぼりましょう。
最近の救急車たらいまわしなどは医師の数を減らしてきた政策のツケでもありますし、無保険者が増えている、つまり貧困層の拡大が原因でもあります。

また、地方の医師不足の背景には、大学の医局の権威を「封建的」という理由で破壊してしまったこともあります。教授が絶対的な権限を持っていて命令したから、どうにか持っていたのです。

このように、頭で描いた理想通りに物事がすすまないのは、よくあることです。だから性急な改革ではなく、漸進的に改善してゆけと言っているのです。

医療制度改革については、私はブログのブランクがありますので、最近はどういうことになっているのかちょっとわからないところがあります。

この問題についてはほぼ2年前に書いたことがあるのですが、医療制度改革をやろうという最大の理由は、これからもっと社会の高齢化が進むと医療費が伸びてたいへんなことになるから、それを抑制する必要がある。そのための改革である、ということだろうと思います。

ところが、改革のモデルとなっているのが、アメリカの医療なのです。これはとんでもない間違いです。日本の医療は国が手厚く守っており、さまざまな規制があり、かなり社会主義的とまで言われることもあります。一方のアメリカは医療の分野にもかなり市場原理主義が入っています。

市場原理主義が入っていることで、かかる医療費の負担が日本よりも少ないというのならば、多少の医療サービスの低下をひきかえに、ある程度日本も医療費抑制のためにそうしたものを導入しなければならないかと、若干説得力がないわけでもないでしょうが、驚くべき事に実際はそうではないのです。

はるかに社会主義的で国により手厚く守られている医療制度を持つ日本のほうが、医療費は抑制されているのです。アメリカのほうがむしろ高い。ではその差は一体何かというと、医療関係の企業やら製薬会社やらが大きな利益を得ているということなのです。

ちなみに、公平のために言っておきますと、このアメリカで儲けている製薬会社の中には日本企業も含まれますが。

日本はの医療制度はWHOによって世界一とのお墨付きをもらっています。その制度を妙にいじることで、しかもアメリカの真似なんかをすることで、良くなるはずがありません。

医療制度というものは、他の社会福祉関連全般に言えることですが、市場原理や競走みたいなものがかならずしも万能ではないのです。

今、学校にも競争原理・市場原理を導入しようという流れになっているようですが、例えばフィンランドの教育は競走を重視していません。それでもかなり高い学力を達成しています。もちろん国柄が違うので、それを真似せよと言っているわけではありません。

何かと言うとすぐに海外の成功例を持ち出して真似しようとするのは日本人の悪いクセです。アメリカの場合は失敗例まで真似しようとするのはほとんど病気です。

日本には日本の国柄があるはずです。教育は国柄との切り離し不可能です。教育改革のヒントは日本の歴史の中にしかありません。これについてはまた今度書きます。

さて、医療の話にもどしますと、今の改革の流れはどうなっているのかわかりませんが、2年前の話では以下のようなことを私は旧ブログに書きましたので、それを引用しておきます。

2006年2月7日の旧ブログより以下転載

ーーーーーーーーーーーーーーーー

■[社会][政治] 混合診療解禁で医療制度崩壊

昨夜テレビタックルを見ていたのだが、夕食を食べながらだったのであんまり真剣にみていなくて内容もうろ覚えだが(食べるのに夢中で・・・)、どうも医療制度改革の話をしていて、混合診療を認めるということにしようとしているようだ。これはまずい。以前書いたエントリーで混合診療を入り口とした医療制度改革の危険性を指摘したが、ここで再度とりあげたいと思う。

(中略)

それはそうと、混合診療を認めることによって、患者に自由な選択をあたえてより良い医療を提供できるというのは大ウソである。昨日のタックルでも誰かが「混合診療を認めないのは時代遅れだ」などと言っていたが、混合診療を解禁しようとする政治家は無知であるかアメリカの手先であるかのどちらかだと断言して間違いない。

■[政治][社会][売国] アメリカの内政干渉は深刻(3)』で書いた通り、昨年12月号の文藝春秋での「警告リポート・奪われる日本」(関岡英之)によればアメリカは「年次改革要望書」を通じて日本社会の様々な「構造改革」を求めていて郵政民営化もその一つではあったのだが、そのアメリカの要求に沿った「改革」の次なるターゲットは、日本の医療に関する分野であるという事。

アメリカ政府は1994年以来一貫して、医薬品と医療機器分野を『年次改革要望曹』の重点項目に位置づけているそうだ。これもまた、一見して国民の利益となりそうな事が入り口となって、最終的には国民がツケを払わされるはめになるという落とし穴が見えてくる。

以下、再度引用。

次なる主戦場は健康保険

 この国には米国の手垢にまみれていない、(簡易保険の他に)もうひとつの官営保険が存在することを忘れてはならない。それは健康保険である。国民生活に与える衝撃は、簡易保険の比ではない。「民にできることは民にやらせろ」という主張がまかり通れば、健康保険も例外ではいられない。既に第三分野(医療・疾病・傷害保険)は外資系保険会社にとって、日本の保険市場を席巻する橋頭堡になっている。


2001年の小泉・ブッシュ首脳会談以来、日米間には「日米投資イニシアティブ」という交渉チャンネルが設置されている。この交渉によって、例えば、外資の日本企業に対するM&Aを容易にするために日本の法律や制度が次々に「改革」されてきたわけだ。で、2004年版の『日米投資イニシアティブ報告書』(内容は経済産業省のこちらで見ることができる。)にある米国側関心事項の一つは注目である。

《米国政府は、日本における人口動態の変化により、今後、教育及び医療サービス分野における投資が重要になってくることを指摘した。そして、これらの分野において米国企業がその得意分野を活かした様々な質の高いサービスを提供できること、またそうした新たなサービスの提供が日本の消費者利益の増大に資するものであることを指摘した。米国政府はこれらの分野における投資を促進するため、日本政府に対し、当該分野における投資を可能とするための規制改革を要請した。》

ここで注目なのは、アメリカ政府は日本に対して「混合診療」の解禁を要求している点。混合診療の解禁は、日本の医療分野への外国資本の参入拡大のための入り口となる。しかし、その結果、日本の医療費は高騰することになりかねない。

混合診療とは何か。(日本医師会のHPにも混合診療の危険性についての説明あり)から説明すると、今の日本では、保険が利く「保険診療」と、保険が利かない「保険外診療」(自由診療とも言う)を一人の患者に同時に行おうとした場合、本来なら保険でカバーできる部分までも保険が適用されなくなって、かかった費用全額が自己負担になってしまう。

だから、ある病気の治療をうけている人が、日本で未承認の薬などを使うと、本来保険が利く診察代や入院費などにも保険が適用さなくなってしまい、全額が自己負担になってしまう。

そこで混合診療を解禁すれば、自己負担となるのは厚生労働省身公認の部分だけになり、診察代や入院費など通常の経費は保険でカバーされるため、日本で未承認の新薬や治療法がもっと利用しやすくなるというもの。一見して良いことずくめのようだが、実はこれは問題も多い。

何が問題かというと、厚生労働省が未認可の薬や治療法については、製薬会社や病院が自由に価格を設定できるという点。(保険が利く「保険診療」のほうは、診療報酬の単価や薬の価格を政府が統制しており、高騰しないよう抑制されている)その結果どうなるかと言えば、日本で未承認のアメリカの「世界最先端」の新薬や治療法がどっと参入してくるが、それは日本の医療費の水準とはかけはなれた高価なものであり、何らかの保険でカバーしない限り高くて受診できない、ということになる。

したがって、混合診療が解禁されると、公的医療保険がカバーしない領域が拡大するので、民間保険会社にとっては新たな市場の創出となる。それを狙って、米国の製薬業界、医療サービス関連業界、保険業界が三位一体となって、日本に対して公的医療保険を抑制しろと圧力をかけてきているわけだ。この圧力のために、「自由診療」という一見して患者本位に思われる「改革」が利用されようとしている。しかし、実はこれは患者のためにもならない。

本来、混合診療を解禁するまえに、すべき改革はいくらでもある。例えば、いまの薬の承認制度が、必ずしも判断基準が明らかでないことや、審査・承認までの期間が長すぎること。また、製造や輸入の承認や健康保険適用の判断基準を明確にして、審議や結果をオープンにすることなどなど。このうえで保険適用されなかった薬は、有効性や安全性等の問題が指摘されたものと考えられる。現状で混合診療を解禁したとて、医療の質が高まるわけではないのだ。

したがって、こうした問題点を放置したまま混合診療を解禁すればどうなるかと言うと、ただ医療費が高騰し、製薬会社や保険会社が利益を得るだけであり、そしてその先には、医療制度の規制緩和と自由化という名の「改革」によって、日本の医療制度がアメリカの制度にどんどん近づいてゆくことになる。「混合診療の解禁」が、そのきっかけというか入り口として利用されようとしているのだ。

ではアメリカの医療制度とはどんなものか。日米を比較してみる。

(日本) 国民皆保険制度によって、すべての国民が公的保険でカバーされている。したがって、誰でも保険証があれば、全国どこの医療機関でも、費用このとはあまり気にせずにいつでも診察を受けることができる。人命にかかわる医療は貧富の格差にかかわらず平等であるべきという価値観に基づいている。だだし、これは高負担・高福祉、つまり「大きな政府」が前提である。

(アメリカ) 国民皆保険制度は存在せず、高齢者・障害者むけの公的保険制度が一部あるのみであるが、これにしてもごく制限されたものである。このため国民の約70%が民間保険会社の医療保険に加入している。無保険者も15%ほど存在する。医療に関しても、文字通り「小さな政府」、「民にできることは民にやらせろ」という米国流の市場原理主義的イデオロギーが徹底されているようだ。

で、日本は「高負担・高福祉」だと言ったが、アメリカのように、民にまかせ市場に委ねれば安くつくかと言うと、実はそうではない。日米の医療費を比較すると、以下のようになっている。

医療保険制度研究会編集『目で見る医療保険白書』(平成十七年版)より。

   総医療費の対GDP比
米国   13.9%
日本    7.8%

   一人当たり医療費          
米国  591,730円     
日本  310,874円


なんとアメリカは、一人当たり医療費でも、総医療費の対GDP比率でも世界一となっている。政府が「社会主義的」な価格統制を行っている日本より、市場経済にゆだねている米国の方が医療費が高いというのは注目に値する。

これだけではない。

例えば大企業の社員は、会社が一括して保険会社と契約するので、大口顧客として保険会社に値引き圧力をかけることができるため保険料が割安となり、低負担で「世界最先端」の医療を受けられる。

 一方、保険会社は大口契約で削られたマージンを小口契約で補填しようとするため、自営業者、退職者など個人で保険に入ろうとする人などには割高な保険料を請求する。その結果、所得の低い人ほど保険料が重くなるという負担の逆進性が常態化している。「小さな政府」で個人の自己負担が小さくなるわけではなく、むしろ逆なのである。


この他、アメリカには、公的保険にも民間保険にも入れない無保険者層が4400万人、国民の約15%(2002年)も存在するらしい。彼らはよほどの重症にでもならない限り病院にも行けず、行ったところで診察拒否・診察代を払いきれず自己破産(アメリカでは医療費負担にともなう個人の自己破産が、クレジットカード破産に次いで多い)。まさに、病気になった時点で即人生の終わりといった感じがある。

で、OECDの調査によれば、アメリカは世界最高の医療費を費やしながら、平均寿命、乳児死亡率、いずれも先進国で最低。WTOの2000年の報告でも米国の医療制度の評価は世界第十五位と悲惨な結果となっている。

米国医療の実態は、「小さな政府」が国民経済全体的には高負担・低福祉をもたらすことを示唆している。一方、日本の医療制度は米国より安い医療費で、WHOから世界第一位の評価を得ているのだ。この歴然たる事実は、市場原理の導入による医療の効率化を喧伝する「改革」論者を顛色なからしめるものがあるはずだ。


これだけのことがわかっているにもかかわらず、今国会において医療制度「改革」が推し進められようとしている。

昨年から、経済財政諮問会議は医療費総額の伸び率に数値目療を導入し、公的医療費を抑制する仕掛けを作ろうと画策してきた。つまりどういう事かと言うと、これまで医療費が高騰しないように政府が価格や報酬について規制していた分野をせばめ、外資を含む製薬会社や民間医療サービス業者が自由に価格や報酬を決められる「保険外診療(自由診療)」の分野を拡大しようとの動きが進んでいるそうだ。

これによって日本の医療制度に市場原理を導入し、公的医療保険を「民」すなわち米国の製薬業界、医療関連業界、そして保険業界に対して市場として開放しようとしている。

医療制度改革は、日本の社会の安定化装置である健康保険制度をとっぱらってしまう事態にもつながりかねないような重大なテーマである。にもかかわらず、先の総選挙ではどの政党も医療制度問題をまともな争点にしなかった。この点では民主党もまるで頼りにならない。自民党内の良心的な勢力に期待しようにも彼らは郵政民営化の抵抗勢力として排除され、力を失った。

選挙での圧勝を受けて、経済財政諮問会議や規制改革・民間開放推進会議などの「改革」推進勢力は、「民意」の名の下に今まさに「改革」の暴走を押し進めようとしている。その結果がどうなろうと、それは選挙の投票で決定を下した我々国民の自己青任ということのようだ。

『年次改革要望書』が交わされるようになって、12年になるそうだ。『年次改革要望書』とその受け皿である「経済財政諮問会議」や「規制改革・民間開放推進会議」によって、米国に都合の良い日本改造は今後も進行し続けるだろうと分析している。さて、どうしようか。

ーーーーーーーー以上2006年2月7日の旧ブログより

↓クリックしていただけると書く意欲が増します。


↓お手数おかけしますが、こちらもクリックしていただけると助かります。
にほんブログ村 政治ブログへ
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
copyright © 2005 右余極説 all rights reserved.
Powered by FC2ブログ. | Template by Gpapa.