右余極説
右翼ではなく余り極端でもなく説明したい(笑)
人気ブログランキングへ にほんブログ村 政治ブログへ

コメント歓迎ですが「こちら」をお読み下さい。

逆でしょう
田原総一郎・・・まだ現役なようだ。

最近、ネットの動画で彼がしゃべっているのを見た。ギリシャの財政破綻問題に関してである。

ギリシャ、ポルトガル、スペインなどヨーロッパの国々で財政破綻の危機が高まっていることについて、話していた。

インタビュアーが、日本も対岸の火事ではすまされないとアホまるだしのことを言っていたのにたいし、彼は一応はわかっているようで、「そういう事(日本もギリシャみたいになる)を言う人は、わかっていない人だ」と言っていた。

そう、その通り、ギリシャの国債はほとんどが外国に買われている、ユーロ立ての借金で、日本の国債は9割以上が円だてで国内で買われている(国内の金融機関が買っている)。だからギリシャとは全然違う。

ここまでは、田原総一郎でもわかっているようだ。

ついでにつけくわえるなら、ギリシャはユーロに加盟してしまったので、通貨の発行権が無い。日本の場合は、円で借金している限りは、最終的にはお札を刷って返すと言うことができる。だから全然違う。

さらに日本の銀行には、過剰な貯蓄、銀行が運用しきれない額の貯蓄があふれている。企業がさっぱり投資しないためである。

しかし、銀行に預けているお金と言うのは、預金者から見れば貯蓄でも、銀行側から見れば「借金」である。運用しないと利子を返せない。銀行は運用しきれないほどの過剰な貯蓄に困っているのである。だから国債を発行してもらうとありがたいくらいなのだ。

で、話をもどすと・・・この後、彼は典型的な間違いを犯す。

では、何故ギリシャの財政が悪化したのか・・・ギリシャは労働人口の4分の1が公務員と言う異様な多さのためである。そこまで公務員が多いと、こうなってあたりまえである。

(ちなみに日本は公務員の数がかなり少ない。こちら参照。日本は公務員が多いと誤解している人が多いが、マスコミの偏向報道のせいである。)

そこは間違いではない。しかし、彼が強調した点が間違いで、多くの日本人が間違っている点と共通している。

公務員ばかりなので、景気が悪くなって(税収が減っても)リストラできない、だから財政がどんどん悪くなったと言っている。これが間違いであることをわかっていないから、日本経済もさっぱり回復しないと思われる。

ギリシャが間違いなのは、公務員がそもそも多すぎることである。はじめから多すぎる、多くしすぎたこと自体が間違いなのだ。

日本も同じだが、公務員を大規模にリストラして良いのは、景気が悪くなってからではだめで、景気の良い時期でなければならない。

景気が悪くなってからリストラしても、失業率を上げて労働賃金も下げてしまい、かえって景気が悪くなるために、税収も減る。リストラしても無駄どころか、やりすぎれば有害なのだ。

政府が、景気が悪くなってから公務員をリストラしたり公共事業を削減したりしても、かえって景気が悪くなり、税収は増えないどころか減る。泥沼である。

だいたい、民間がリストラしまくりで失業率が上がっている時に、公務員までそれを大規模にやったら、失業者はどうなるか?余計に就職できなくなるだけだろう。

でも、不思議と景気が悪いほど、公務員がやり玉にあげられる。日本人の平等意識からくるものなのか、安定した職業に対するひがみ根性なのかはわからないが。


日本の財政が悪化した最初のきっかけは、バブル崩壊である。

そもそも、バブルの時に政府までもが民間と同じように借金をして公共事業をしてしまったからである。崩壊したとたんに巨額の借金ができた。

しかし、気をつけないといけないのは、「だから政府は公共投資などしてはいけない」と安直な結論を導き出してしまうことである。そうではなく、要はタイミングの問題である。

バブルや好景気の時には、政府は借金せず投資もせず、むしろリストラしたり無駄を削減して、税収を増やしておかなければならない。

少なくともバブルと言うか好景気の時には、政府は何もしないでさえいれば、どんどん財政が黒字になる。むしろ、バブル抑制のために増税するくらいが良いだろう。

そして、バブルはいずれ崩壊する。

そのときには、景気がどん底に落ち込み、失業率が増大して泥沼の不況に陥らないように、リストラの嵐が吹き荒れる民間とは逆に、公務員を増やして公共事業をやり、大規模な財政出動によって景気を回復させることで、不況の長期化による長期的な税収の落ち込みを回避しなければならない。

なのに、多くの人は、バブルが崩壊した瞬間に、「政府は公共事業などむだをやるから借金ができた」(ここまでは正しい)、「だから政府は公共事業をやってはいけない、無駄の削減だ」となってしまい、不況にもかかわらず、景気回復のための政策が実行できなくなってしまい、またしても逆のこと(バブルの時にやっておくべき政策)ばかりやり続けて、さらに景気を悪化させている。

官と民は逆をやらねばならないのに、実際には同じことをやってきた。デフレの時にインフレ対策をやっている。景気の過熱の抑制策を不況の時にやっている。常に逆をやりつづけている。下痢の患者に下剤を飲ませ続けているようなものだ。

つまり、日本の場合は「公共事業」や「増税」や「無駄の削減」など、これらをやるタイミングをことごとく間違え続けてきた。それが現在の惨状の原因なのだ。

景気が悪くて税収が少ないからと言う理屈で公共投資を削減し公務員をリストラし増税をすれば、さらに景気が悪くなって税収など増えない、いつまでたってもこの泥沼から抜け出せないだろう。

税収が足りないのは税金の無駄遣いのせいではなく、景気が悪いから、デフレだからである。

原因の特定を間違えれば、解決策も間違える。結果、解決できない。当たり前である。

やるべき事と反対のことばかりやりつづけたために、こうなってしまったと言うことだろう。

国の財政と、家計の収支とを同じ発想で考えては間違えるのである。

中央政府は特別なのだ。家計とも民間企業とも地方自治体とも違う。規模が巨大であることと、通貨発行権を持っていることが違う。そこらへんをごっちゃにして考えてはいけない。

田原総一郎など彼らの罪は重い。

彼らは、「既得権」とか「天下り」とか「癒着」などと言うものに異様にこだわり、もちろんそれらが汚職などにむすびついているのなら法によって裁かれるのは当然としても、そういうものにむすびついてしまうと言う理由でもって、つまり、理念を暴走させて、構造改革をやってしまった。最悪のタイミングで。

ゆがんだ正義感で間違った政策をやって社会を人工的に設計しようとする、その結果として世の中を滅茶苦茶にしてしまうと言う点で、彼ら「新自由主義者」たちは、革命家、共産主義者と同じ種類の人間である。
フィードバック
フィードバックとは「結果に含まれる情報を原因に反映させて調節をはかること」と言う意味で、もともとは電気回路の話などで使われる電子工学の用語だったと思う。

この用語は、私の分野(生命科学系)でも使われる。たとえば、多くのホルモンはフィードバックによる分泌量の調節が行われており、高校の生物の教科書にも書いてある通りです。

例えば、脳下垂体前葉から甲状腺刺激ホルモンが放出されると、甲状腺からチロキシンと言うホルモンの分泌がおこります。

この場合、甲状腺刺激ホルモンの放出が「原因」で、チロキシンの分泌が「結果」となります。

そして、「チロキシン(=結果)」には「脳下垂体前葉からの甲状腺刺激ホルモンの放出(=原因)」を抑制する働きがあります。つまり、これがフィードバックです。

しかも、原因が結果にさかのぼって原因を抑制するものを特に「ネガティブ・フィードバック(負のフィードバック)」と言います。

チロキシンが過剰に分泌されるのを抑制するメカニズムです。こうした調節により、ホルモンは過剰にならないように制御されています。

逆に、結果が原因を促進するものを「ポジティブ・フィードバック(正のフィードバック)」と言います。結果としておこることが、その原因にさかのぼって、さらに結果を促進するわけです。

で、ここから話はいきなり経済の問題に突入します(笑)。

経済におけるインフレもデフレも、単純に考えると、いずれもポジティブ・フィードバックがおこり、一度はまるとどんどんそれが加速(悪化)の一途をたどるものだと思います。

何がデフレの原因で結果かを決めるのは難しいですが、今仮に、デフレの原因を単純に物価の下落としましょう。

物価が下がる結果として、貨幣の価値は上がりますから、お金を使わないほうが良い。そうなるとモノが売れない。そうなると景気悪化でリストラ。そうなると、労働賃金の下落と失業者の増加。そうなると、ますまずモノが売れないのでますます物価が下落する・・・

これが増幅されつつ循環するわけです。まさにポジティブ・フィードバックと言えるでしょう。

さらに、インフレも同じで、これと逆のことがおこるわけです。

では、どうすれば良いか。

これは、市場に任せっぱなしにしているからこうなるのです。

ここで必要なのは、ネガティブ・フィードバックの機能です。経済で言えば、大規模に市場にさからって逆のことをしなければならないのです。

そこで、政府の介入が必要になってくるわけです。

従って政府は経済に関しては、ネガティブ・フィードバックを心がける。

誰もお金を使わないデフレの時にはお金をばんばん使ってフィードバック・ループを逆回転させなければなりません。

今がデフレなのだから、政府は市場(民間)と逆に、お金と使い投資し、失業率を減らして労働賃金を上げるような政策をとらなければならない、と言うか、やることはこれだけのはずです。

ところが、現実には世間のポジティブ・フィードバック圧力に負けて、民間と同じことばかりしています。

公共事業を減らし、緊縮財政をとり、公務員の数と賃金を減らせとかそんなことばかりが行われています。

これだけ失業率が高く、労働賃金も下がり続けているのに、どうして公務員を減らし賃金も下げと言う逆のことをするのか、不思議でなりません。

民間が不況で苦しんでいるのだから公務員も同じようにしろと言う考えならば、それはただのひがみ根性で、官と民の役割分担、やることの違い、立場の違いと言うものを完全に無視した暴論です。

その暴論によって、労働賃金がさらに下がり、失業者が増えて労働市場になだれこんできて、自分の首をしめているだけと言うことに気づかないのです。

ゼネコンなど建設業界をつぶしまくった時にも同じようなことが起こったのをもう忘れているのでしょう。

彼らが「政府と癒着」して「甘い汁」をしっているなどと言いがかりをつけて(まあ、多少はあったでしょうが)、その結果として、構造改革により建設業界をリストラしまくった。

で、どうなったか!?

大量の失業者が労働市場にあふれだし、自殺者は増加、デフレが進行して経済が悪くなり、誰もとくをしませんdした。

今、こんどは、東電に大量のリストラをさせようとしています。

ただでさえ景気が悪いのに、どうして今、公務員を減らしたり賃金カットしたり、東電もリストラしたり賃金カットなどと言うのか。

やることが逆になってしまうのは、ものごとの優先順位のとらえ方を完全に間違えているからでしょう。

民意と言うものは、感情的です。

景気が悪い、民間が苦しんでいる、公務員は守られている、俺たち民間が苦しんでいるのにけしからん!とこうなるのでしょう。

しかし、それはほとんどただのひがみ根性です。

原発事故けしからん。電気代の値上げは東電けしからん。だから先にリストラだ!いや、東電解体だ!

今回の大地震による事故がどこまで東電の責任なのか?

その体質だとか利権だとかの批判には私はほとんど何の説得力も感じません。データにもとづかない印象操作だとしか思えないのですが、誰しも「利権」とか聞くと訳知り顔で納得した気分になり、そこで思考停止です。

経済は市場にまかせっぱなしにすると、ポジティブ・フィードバックがかかってしまい、状況がひたすら加速(悪化)するだけです。

だから、政府は民間と逆をしなければならない。

「官から民」ではなく、「官は民と逆をやれ」が現状においては正しいのです。
おかしな政策
野田首相が就任して、少しずつ政治が動き出している。彼の歴史認識は比較的まともで、父が自衛官と言うこともあり、彼自身はサヨクではないのだろうが、閣僚のメンバーを見れば期待できないことは明らかである。

おまけに、経済政策も期待できない。たぶん。

日本の経済状況がずっと悪いのは、政策の間違いを重ねてきたからと言う側面が大きいと思う。

その間違いを、おそらくまだ続けることになると思われる。

その典型が、復興増税も間違いだろう。

無駄をはぶいて増税すれば財政の問題が解決すると思ったら大間違いである。それができたら、ここまで財政は悪化していない。財政赤字の根本原因は「政府の無駄遣い」のせいではない。

財政赤字の一因は、政策の間違いを重ねてきたこと、景気を悪くするような政策ばかり続けてきたために、税収が減る一方だからである。

大きな増税と言うのは景気を悪くする。景気が悪くなれば所得税や法人税の税収が減る。

デフレで不景気で失業率が高い時期に、特に消費税を増税するのは最悪で、「消費税による税収」は増えるが、トータルな税収(所得税や法人税を加えた全体の税収)はかえって減る可能性が高い。

実際、橋本政権下で消費税を3%から5%に増税した時にはそうなっているし、それ以来ずっと失業率も高いまま、経済も悪いままである。

この時は増税だけではなく、超伸縮財政もやった。公共事業も今や3分の1程度までに減らされた。にもかかわらず、財政赤字がかえって増えた。

したがって、不況下での増税と無駄の削減は財政赤字の解決方法にはならない。

だから、経済の状況が悪い時には、何をやっても国の財政は健全化できない。今の状況では、増税しても無駄をはぶいても、借金は減らせないと言うことだ。

と言うことは、経済を回復させるしか無い。GDPを成長させるしか無い、デフレから脱却するしか無いのである。まずこれらが先である。財政の健全化はその後でしかなしえない話なのだ。

個人的には好きではないが、亀井静香が言うように「井戸が枯れているのに枯れた井戸から水をくもうとしても無駄」なのである。彼の認識は正しいと思う。

断言はしないが、たぶんこの考え方が一番正しいだろうと最近思うようになった。なのに、復興増税とか言っている。積極的に景気対策や雇用対策をやる気配も見られない。

だから、日本の絶不調は、これからもしばらく続くことでしょう。
copyright © 2005 右余極説 all rights reserved.
Powered by FC2ブログ. | Template by Gpapa.